「球詠」 2話 感想 ~ 詠深vs怜!野球部を残してきた2年生の意地と、それに応える詠深の姿に注目!

©マウンテンプクイチ・芳文社/新越谷高校女子野球部

珠姫と再会したことで、諦めていた野球を続けることになった詠深。

第2話では、そんな詠深の周りに仲間たちが集まってきます。そこには、部を存続させてくれた2年生も……しかし、すんなり復帰、とはいかない様子。

そんな2年生に、詠深がどんなメッセージを送るのか?第2話、スタートです!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©マウンテンプクイチ・芳文社/新越谷高校女子野球部様公式HPならびにTVアニメ『球詠』(たまよみ)公式様Twitterアカウントより引用しています。

2年の好打者・怜に詠深が必殺変化球で挑む!

第2話のストーリーまとめ!

詠深と珠姫の再会によって、再始動した新越谷高校野球部。
そこへセカンドの藤田菫、ショートの川崎稜が加入。2人は強豪の南相模中学出身で、実際にノックをしてみると確かに守備が上手い!

ただ派手なプレーを好む稜と、堅実なプレーをモットーにする菫は性格が正反対……?しょっちゅう言い争いをしているようですが、これはこれで仲がいいようです。これで二遊間が固まりました。

右が稜、左が菫。ケンカするほど仲がいい、を地で行く2人は、守備力もバッチリ!頼もしい仲間ができました。
©マウンテンプクイチ・芳文社/新越谷高校女子野球部

そんな活動の様子を眺めている、2人の上級生が。彼女たちは昨日もグラウンドを見つめていました。2人は野球部の岡田怜と藤原理沙。昨年、暴力事件が起きて活動停止になった後も野球部に籍を置き続け、グラウンドを整備し、廃部になるのを阻止してくれていたのです。

2人に対し、野球部に復帰するようお願いする詠深。しかし、怜はその気はないと言います。今はクラブチームに加入し練習している彼女は、1年生が加入し野球部が存続したことを確認したら、退部するつもりでした。

そこに!詠深が挑戦状を叩きつけます。怜に対し、「私の球、打ってみませんか?」と言うのです。形としては、部活を存続させてくれた2人に対するお礼ということですが……これを怜は承諾。詠深と怜が対戦することに。

ルールは、怜が外野に強い当たりを飛ばせば勝ちというもの。選手オタクの芳乃いわく、怜は中学の頃から走攻守の三拍子が揃った好選手です。詠深にかなり有利なルールにしたのも、自信の現れでしょう。

勝負開始!
詠深はまずストレートを投げ込みますが、怜は微動だにしません。それを見た珠姫は、詠深の必殺変化球を要求!これで空振りを取ります。右打者の頭からアウトコース低めいっぱいに落ちるカーブを見て、怜も驚き目を剥きました。ストライクを取れて喜ぶ詠深、初めて見る詠深の変化球に感嘆の声を上げる稜と菫。守備側は勢いづきます。

これでノーボール2ストライク。3球目は……低めへのストレート!審判の芳乃は、迷った末にボールをコール。ただストライクを取られてもおかしくない球でした。詠深はストレートではだめか、と苦笑しますが、怜は変化球が来ると思って手が出せなかった。ギリギリの勝負です。

これで1ボール2ストライク。
この状況で、なんと詠深は「負けた方は勝った方の言うことを聞く」という提案します。追い込んだ状況で勝負を持ちかけるとは……息吹の言うようにセコいのか、それとも最初からこれが狙いだったのか?怜はこれを受けます。

詠深の変化球をフルスイング!勝負の行方は……?!
©マウンテンプクイチ・芳文社/新越谷高校女子野球部

双方にとって勝負の一球!
詠深と珠姫は、やはり変化球で勝負!怜もそれを読んで、強く踏み込み、すくい上げるようにバットを強振!芯を捕らえた打球は、ぐんぐんと伸びてセンターへ!センターに立っていたのは初心者の息吹。必死にボールを追いますが、足を取られて転んでしまいます。打球は無情にも息吹の後方へ……。

しかし打った怜は、詠深の勝ちだと言います。今の打球は自分なら捕球できていたから、と。詠深の球を「いい球だった」と褒める怜。同時に、詠深たちがお遊びで野球をしていると口にしたことを詫びるのでした。

さて、負けた方は勝った方の言うことを聞かねばなりません。
勝った詠深は、怜たちに一緒に野球をやりましょうとお願いします。追い出されるかと思っていた怜ですが、思ってもみなかった提案を、笑顔で快諾しました!

しかし……必殺の変化球が打たれてしまった詠深はちょっと自信喪失気味。ですが、他のチームメイトは彼女の球を全然打てません。実は入学式の日の投球練習からあの変化球を研究していた怜。怜があの変化球を打てたのは、そうした研究と彼女ならではの打撃センスがあってのものだったのです。ですが、それでも守備力あるセンターがいれば打ち取られていた。頼もしい1年生バッテリーの姿に、怜と理沙の2年生2人は目を細めます。

顧問となる藤井先生も現れ、いよいよ部活としての形ができてきた新越谷高校野球部。展望が開け、明るい雰囲気になったところで第2話は終わります。

野球と野球部を取り巻く微妙な文化

第2話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

お尻バットぐらいは覚悟しないと……(詠深)

グラウンドを勝手に使ったら先輩たちに怒られるのでは?という文脈で出てきた詠深のセリフ。女子らしくお尻バット、などとお上品に言っていますが、直球に言えばケツバットですね。罰を与える相手を立たせ、そのケツをバットでぶっ叩く……私は経験したことがありませんが、メチャ痛いようです。それで深刻な障害を負った選手もいたようで、痛ましい話です。

野球の世界では、かつてこうした体罰がごく日常的に行われていました。今でも、ケツバットかどうかはともかく、指導者や上級生が暴力的な指導をして問題になることはしばしばあります。

そうした空気がいまだ野球界に色濃く残っていることは、次のセリフを始めとした、第2話の流れやキャラクターの心情を理解する上で、抑えておきたいところです。

あの子たち、すごく楽しそうじゃない?(理沙)

詠深たちの練習風景を見ていた理沙がつぶやいた言葉です。
かつては強豪校だった新越谷。しかし成績が低迷し、部の中では行き過ぎたシゴキや体罰が横行した結果、活動を停止するという事態に陥っていました。1年生だった怜や理沙にとって、それは「楽しい」から程遠いものだったに違いありません

現在、野球界では少年野球をプレーする小中学生が激減していることが問題となっています。少子化だから競技人口が減るのは仕方ない、と思われるかもしれませんが、サッカーなど他の競技では横ばいまたは微減にとどまっており、野球の競技人口だけが子供の減少率を超えて減っている、というのが現状です。

楽しいはずの野球が、いろいろな影響で楽しくなくなっていく……そんな中にあって、心から野球を楽しむ詠深の姿は2年生2人には眩しく映ったことでしょう。
©マウンテンプクイチ・芳文社/新越谷高校女子野球部

これは、未だに監督が強い権限を持つ中、精神論がはびこり、ときに上で見たような度を超えた指導や暴力が野球界に残っていることと無縁ではないでしょう。監督の指示通りにプレーできないと厳しく叱られる中で、野球が本来持っている楽しさを感じられなくなっていく……そういう選手は少なくありません。

暗黒とも言える1年を過ごした理沙や怜にとって、楽しそうに野球をやる詠深たち1年生は、希望の光が差し込んだように見えた、そんなセリフだったと言えましょう。

勝って、ここで野球がしたい!(怜)

詠深との勝負の最中、怜が心の中で叫んだセリフです。

この勝負を見ていると、おかしなことに気づきます。勝負の条件は「外野に鋭い当たりを飛ばしたら怜の勝ち」だったはず。そして怜は詠深の変化球を見事に打ち、外野の頭を超える打球を飛ばしました。怜が勝ちを主張すれば、詠深たちは言い返せなかったでしょう。

それでも怜は負けを認めた。ここは詠深の変化球の素晴らしさに素直に脱帽した、と受け取ってよいかと思います。

怜と理沙は、活動停止処分を受け散り散りになった野球部員たちの中でも部活に籍を置き、周りの白い目に耐えながらグラウンドや備品を整備し続けてきました。

一方、この勝負をする前までは、怜は1年生が加入して野球部が存続したら、自分は退部してクラブチームに入るつもりだったとも言っています。

野球部を続けるつもりがなかった怜が、なぜ考えを変えたのか?
この点について、考察パートで考えてみたいと思います。

野球は本気だから楽しい……本作を支える太い幹

怜の心変わりの理由を考えてみた

第2話では、仲間が一気に4人も増えました。強豪中出身の稜と菫、厳しすぎる練習にも耐えてきた怜と理沙。いずれも頼もしい選手たちなのは間違いありません。

今回はセリフ解説パートの流れを受けて、怜について注目してみたいと思います。

彼女は中学時代から好選手して注目されていた。しかし進学した新越谷野球部は、成績は出せないのに旧態依然のやり方が残ったブラック部活状態。そして、暴力事件で活動停止に追い込まれます。

部員たちが抜けていく中、怜は理沙とともに野球部に在籍し、部活を存続させた。そして詠深たち1年生が加入したことを見届けて退部しようとするも、詠深との勝負に負け、詠深たちの要望を聞き入れる形で部に復帰した。怜のこれまでについては、こういう流れでまとめることができると思います。

走攻守、三拍子揃った好選手の怜。高校野球への情熱を捨てきれない一方で、現実的な道も模索していたと思われます。詠深たちと出会えて本当に良かった!
TVアニメ『球詠』(たまよみ)公式Twitterアカウントより引用

ここで疑問が湧いてきます。怜はなぜ、活動停止になった時点で退部しなかったのか?現時点でクラブチームに加入しているならば、わざわざ部を残すこともなくそちらに移ればよかっただけではないかと思ってしまいます。

今後のストーリーで明かされることもあるかと思いますので、ここからは推測です。

怜はやはり、高校で野球をやる、ということに一縷の望みを持っていたのではないか、だから部を存続させる決断をしたのではないか、と思っています。男子ほどではないとはいえ、女子硬式野球でも全国大会があります。そこに向けて仲間と青春を燃やすというのは、プレイヤーとして憧れがあってもおかしくない。やはり高校で野球をやる、というのは、球児にとって特別な意味があると思います。怜はその思いを捨てきれなかったのではないでしょうか。

珠姫が詠深を、詠深が怜を本気にさせていく胸アツ展開!

とはいえ、2年生になった怜は、こうした思いを半ば諦めかけていたに違いありません。仮に1年生が入ってきたとしても、問題を起こした高校にいい選手が入ってくるとは思えない。野球部は残ったけど弱小、というのでは好選手である怜にとって真剣に野球が取り組める環境とは言えない。だからこそ、クラブチームで鍛錬し、大学野球に賭けるという選択肢の方が有力になっていた。

しかし、そこに現れたのが詠深だった
鋭い変化球を持つ彼女と実際に対戦して、怜は完全にスイッチが入りました。詠深の変化球について怜は事前に知っていましたが、いざ打席に入って見たそれは、またぜんぜん違う迫力があった。

珠姫が詠深を、詠深が怜を真剣にさせていくという話の流れは胸アツそのもの!「野球って本気だから楽しいんだ」というキャッチフレーズが、宣伝文句を超えた、作品の幹となっていることを強く感じます。
TVアニメ『球詠』(たまよみ)公式Twitterアカウントより引用

そんな変化球を持つ詠深と真剣勝負することで、怜は思ったに違いありません。
これならば、自分の望む高いレベルで高校で野球ができる、と。
セリフ解説パートで取り上げた「ここで野球がしたい!」というセリフは、こうした流れの中で出てきた言葉ではないでしょうか。

本作の公式サイトには、「野球って本気だから楽しいんだ」というキャッチフレーズが掲載されています。
第1話では、自分の持つ変化球を受けてくれた珠姫によって、本気になれた詠深の姿を見ることができました。
第2話は、その詠深の変化球によって本気になった怜の姿を見ることができました。

そう考えると、公式サイトのキャッチフレーズは単なる宣伝文句を遥かに超えた、本作のストーリーを支えるものすごい太い幹なのだなと強く実感できます。今後のストーリーがますます楽しみになってきますね!

なお、今回は怜にフォーカスを当てて考察しましたが、こうした怜の考えには、理沙の影響もかなりあったと予想されます。2人のそうしたストーリーにも期待したいところです。

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