「本好きの下剋上」 第16話 感想 ~ ベンノ、マインを一喝!マインに求められた“義務”とは?

©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

神殿での仕事が始まったマイン。しかし、側仕えに選ばれたギル、デリアとはとてもではないですがうまくやれそうにありません。フランは2人と違って大人ではありますが、フェルディナンドの側仕えからの配置転換を快く思っていない様子……。

果たしてこれは上手くやっていけるのか?ハラハラしつつ第16話、スタートです!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会様公式HPより引用しています。

神殿での仕事スタート!マイン、己の立場を理解する

第16話のストーリーまとめ!

フェルディナンドの執務室で、改めて神殿の説明を受けるマイン。個室ということもあり、今度は突っ込んだ話になっていきます。平民なのに青色神官になったため、神殿長含めた神官ほぼ全員から疎まれるマイン。そのため、指導役はフェルディナンドが就くことになりました。

一通り話が終わり、図書室へ向かいます。ウキウキのマインですが、ギルを始めとした側仕えたちは理解不能、という態度を隠しません。

そんな彼らに対し、マインはついてこなくていい、あなたたちなんか側仕えとは思わないと言い放ちます。神殿では青色神官は側仕えを付けなければならない規則ですが、どうせ言うことを聞かないなら居てもいなくても無視する、という作戦でしょう。

図書室へ入るマイン。久しぶりのインクの香り、古紙の香りに胸を弾ませます。聖典は魔術がかかっているのでしょう、読むべきページを自動で開いてくれるおまけつき。いつぶりの読書だろう……と微笑みながらマインは本を読み始めます。

昼食だと伝えたギルに対し、邪魔をするなと思わず例の魔力を発動させてしまうマイン。本好きが読書に没頭するとこうなりがち。もっとも、これのせいでギルは食事を取りそこねたようで……?
©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

夕刻、マインは帰路につく前に、フェルディナンドから言われた寄付金の相談をしようとベンノの元を訪ねようとします。すると、フランたちも付いてくるといいます。青色神官が誰かを訪問する際は側仕えが一緒なのが常識。しかしマインは、先ほど同様に来る必要はないと言い切り、そのままルッツとベンノのもとを訪れました。

しかしこれがベンノから大目玉!まず青色神官である巫女服を着て町を歩いた事自体が常識外れもいいところ。青色神官=貴族ですから、誘拐されかねません。また、側仕えを拒んで来たのも大問題。神殿の常識外である上に、ベンノが寄付金を持っていかねばならないことを意味しているからです。神殿に行き貴族と会うとなると大ごと!準備に大慌ての彼らの姿を見て、マインはやっと自分がどういう立場にいるのかを理解するのでした。

正装し、馬車を使って神殿の正門から入ったベンノ。そこにフランが迎えにきます。マインはベンノから言われた通り、貴族らしい言葉遣いでフランに接します。するとフランも、恭しい態度を取り応対。ベンノから言われたのはこういうことなのか……とマインはちょっと理解します。

そしてフェルディナンドとベンノが面会。寄付金などの奉納は無事に終わりましたが、フェルディナンドはベンノに質問がある、と切り出しました。

まずフェルディナンドは、マインが魔力を暴走させる危険人物だと神殿で言われているがどう思うか、と問います。それに対しベンノは、おっとりとした寛容な性格だと回答しました。普段、マインのことを考えなしと叱りつけているベンノですが、物は言いようですし、マインの長所もちゃんと見ていたとも言えますね。

今度はベンノが質問。マインの虚弱体質についてフォローできているのか、と問い返します。それに対しフェルディナンドは、自分の側仕えの中から優秀であるからフランを派遣した、と回答。フェルディナンドは期待を持ってこの配置にしたようですが、フランはそれをちゃんと受け止めていなかったことがわかります。

そしてまた攻守交代し、フェルディナンドから重大な質問が!ベンノはマインのことを水の女神と言っているが真実か、と。この世界で男性が女性を水の女神と呼ぶ場合、相手は恋人であることが一般的。ベンノ、ロリコン疑惑発生?(笑)マイン的には笑っちゃうほどあり得ない話ですが……ただそこはベンノの秘書、マルクがフォロー。うまくごまかしてくれました。

ベンノのおかげでフランと少し分かりあえたマイン。お役所仕事は大変だなと思う一方、リーダーとしての在り方というのも考えさせられる話でした。これについては、考察パートでも詳しく触れます。
©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

利益配分も含めたタフな話し合いが終わり、マインは気力が尽きたのか、倒れ込んでしまいます。彼女を運ぶベンノ。そこでフランは、側仕えである自分に運ばせてほしいとベンノに言いました。

フェルディナンドとの面会前はマインを気遣う様子があまりなかったフランですが、フェルディナンドの真意を知って気持ちを改めたのでしょう。マインはそんなフランに微笑みました。

マインとフラン、お互い少し分かりあったものの、ギルとデリアとは……?
まだまだ波乱が続きそう、というところで第16話は終了します。

フェルディナンド、フランはマインをどう見ている?

第16話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

疎むわけがないであろう(フェルディナンド)

神殿では多くの神官から白い目で見られるマイン。しかしフェルディナンドは今のところそういう態度を見せません。なぜでしょうか、とマインが質問したところ返ってきた答えは、自分のサポートをする優秀な人間を疎むわけはない、というものでした。

前回触れた通り、神殿は今ピンチを迎えています。中央の政変から端を発し、貴族である青色神官が減ってしまった。そして彼らがやっていた仕事がフェルディナンドのところに集中しているようで、猫の手も借りたい、という状態のようです。

使えるやつは身分に関係なく使う!フェルディナンド、ブラック上司疑惑浮上(笑)しかしフェルディナンドがそうした実力主義的な考え方をする人物なのは、マインにとっては朗報でしょう。
©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

しかしこのセリフの際、フェルディナンドは不敵な笑みを浮かべています。使える部下は使い倒すブラック上司?(笑)こわいよー!

なんにせよ、フェルディナンドは出自に関わらず優秀な人間は評価する、逆に優秀でないものは貴族であろうと厚遇しない、ということが分かりました。現にフェルディナンドは、優秀なフランを扱いの難しいマインの側仕えに配置しています。

フェルディナンドが実力主義的な思考の持ち主だったのは、立場が厳しいマインにとっては幸福と言えましょう!

お前はどうだ。努力しているか(ベンノ)

寄付金の相談のためベンノの元に向かったマイン。そこで神殿のことを散々愚痴ったマインに対し、ベンノが放ったのがこの言葉です。

ベンノはマインのことを大声で叱ることが少なくありません。しかしこのセリフは、少し抑えて諭すように発しました。怒鳴りつけられるより、こういう言い方の方が堪えることってありますよね。マインもそう感じたようです。

このセリフは第2話をまとめる上で重要なセリフである上に、メチャメチャ深い話なので、考察パートで改めて解説したいと思います。

私がマイン様の側仕えです!(フラン)

マインが倒れた後、マインを抱えたベンノ。フランはそれに対し、このセリフを言って倒れたマインを運ぼうとします。

ストーリー解説パートでも見たように、第2話はフランとの関係を改善していく話が軸になっています。フランはもともとフェルディナンドの側仕えでした。フェルディナンドのことを慕っていたフランにとって、マインの側仕えへの配置転換は、フェルディナンドから見切りをつけられたと思ってしまったようです。

しかし実際には、フェルディナンドは期待を込めてフランをマインの側仕えにしていました。上のセリフでも見た通り、フェルディナンドはマインのことを有能で神殿に必要な人材と認識しています。一方、神殿長を怒らせ、神官たちから白い目で見られる難しい立場にいることも把握しています。マインの側仕えは必然的に難しい仕事になる。だからこそ有能なフランを担当させたのです。

第16話ではフランとの関係を改善していく大きなきっかけを得ました。人間関係は複雑で、それぞれ望むことも違う。おもねる必要はないけど、相手のことを考えて行動するのは大切だなと改めて思いました。
©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

そうしたフェルディナンドの思いを知ったからこそ出てきた、このセリフ。一連の流れから、フランが真面目で、主に忠実な神官であることがよく分かります。

一方のマインは、当初はギルたちと一緒くたにフランも邪険に扱っていました。味方になりうるフランまでそういう扱いをするのはやりすぎ……と見ていて思っていましたが、ベンノの熱い忠告を受けてそうした態度を改めました。結果、フランはマインのことを信じてもいいと思い始めたようです。

フェルディナンドは多忙の身。マインとずっと一緒というわけにはいきません。ですがフランは側仕えですから、常に行動を共にできる。ここでフランを味方につけたのは大きいでしょう!

立場と言動、マインに求められているもの

義務を理解していないマインを叱った、ベンノの厳しい一言

神殿暮らしが始まったマイン。ギルたちの態度がひどすぎたことに怒ったマインは、側仕えを無視するという方法を取ることにしました。

また、マインは前世は(おそらく)庶民の子ですし、転生後も下町で1年以上暮らしていました。下町ではその率直な性格は愛されましたが、神殿ではそれは通じない。貴族らしからぬ態度として、より疎まれる方向へ行ってしまっていたのです。

しかし、青色神官は灰色神官を指導し、場合によっては養っていく義務を持っています。マインは神殿の青色神官になったにも関わらず本のことばかり考えて、そうした義務については気を配っていませんでした。

それをベンノは見抜いたのでしょう。セリフ解説パートで見た、お前は努力しているのか?というセリフを口にして、マインの考えの甘さを強く指摘したのでした。

神殿に向かう際、ベンノはバッチリと正装し、かつ神殿式の挨拶をしっかりと行いました。神殿のことをよく知っているだけに、マインの仕事に向き合う姿勢は見逃せなかったのでしょう。彼のおかげでマインは、神殿の中でどうあるべきか考えることができました。
©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

思えばマインは、第1部からずっと自分の欲望に忠実過ぎるところがあったように思います。神殿に入りたいと思ったのも、本があるからと神殿で魔力を制御して自分の体の問題を解決しよう、とやや自分本位の目的でした。青色神官になったのも、灰色神官のような待遇は体力的に無理という理由から。当然、貴族に課せられた義務などはその段階では考えることもなかったのです。

でもマインは今や青色巫女。幼いながらもこの世界では立派な社会人です。幼馴染のルッツは、ベンノやマルクの指導を受けて、一生懸命1人前の商人になろうとしている。お前にはそうした努力が欠けている……ベンノの指摘はかなり厳しく、そして愛のあるものだったと言えましょう。

異世界ものと主人公の性格、注目すると面白い

ベンノの言葉を受けて、考えを改めたマイン。さっそく、フランに対し青色巫女らしく振る舞ったところ、好反応が返ってきました。これは上で見た通りのフランの性格や考え方に寄るところが大きいですが、フランと関係を築く第一歩になったのは間違いありません。

メンバーはリーダーをよく見ている。リーダーが自分の理想通り振る舞うことを期待している。もちろんリーダーからすれば全知全能じゃないんだから……と思うことはあるでしょうが、それでもその期待に応えていくことで関係も変わってきますし、結果としてリーダー自身の環境が好転する。そんなことを考えるきっかけになる第16話だったかなぁと思ってしまいました。

ちなみにここの部分、私のブログでも取り上げさせていただいている「はめフラ」と対比するととても面白いんですよね。はめフラのカタリナは、貴族だけど庶民っぽい性格が、貴族たちに受けています。逆に本作のマインは、庶民だけど貴族っぽく振る舞うことが周囲には期待されています。

異世界ものは貴族や王族といった設定があることが少なくありません。そうした相手に、大抵の場合は元庶民の主人公がどう接し、その結果どういう反応が返ってくるか?そういった点から異世界もの作品を見てみるのも面白いですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です