「イエスタデイをうたって」 3話 感想 ~ 愛とはなんぞや?自分の殻を破って踏み出す晴!

©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会

第2話までで主要キャラクターが一通り登場し、人間関係が分かってきた本作。第3話では、さっそく作品の主題テーマが出てきます。

そのテーマに、晴たちはどう向き合っていくのか?さっそく見ていきましょう!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会様公式HPより引用しています。

愛とはなんぞや?愛とは誰のため?

第3話のストーリーまとめ!

バイト先から帰ろうとする陸生。しかしそこに雨が。傘を持っていない陸生は、走って帰ろうとします。晴は、そんな彼を追いかけてきました。木ノ下から聞いた、浪のことが気になっているようです。また、榀子に対して宣戦布告をした!とも。

それを聞いた陸生は、自分は晴が思っているような男じゃないと言います。心に余裕がないから、晴には優しくできないだろう、と。

しかし晴も、それでいい、と言います。陸生が榀子のことを好きなのは分かっている。だけど陸生が誰を好きであろうが、自分が好きなのだからそれでいい、理想や幻想は持っていない、とも。彼女の発言に、妙に共感してしまう陸生。

数日後、陸生は風邪を引いてしまったようです。そこになんと、榀子が現れます。一人暮らしの病気はつらいと思った榀子、ご飯を作ってくれたのでした。これはありがたい、と陸生は感謝。

そのおかげか?風邪が治った陸生。バイトに復帰すると、晴がやってきて映画のチケットを差し出します。晴いわく、先日風邪を引いたのは自分が雨中引き止めて話をしてしまったから、そのお詫びを兼ねてとのこと。おお、デートの誘いですか?!そんな気持ちを汲んだ陸生は、映画デートを受けます。

陸生を映画に誘えてルンルン気分な晴、メイド服姿でコーヒーを配達しています。彼女はそこで、浪と出会いました。もっとも、今回は突っ込んだ話はなし。コーヒーを奢って、バイト先に戻ります。晴のバイト先は昼は喫茶店、夜はバーという業態でした。酒は提供するものの、割と健全な印象です。

実家に戻った後、1人複雑な表情を浮かべる晴。この直後、陸生に会って軽口を叩いていますが、心の中では……?
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バイト先の店長から家族のことを聞かれた晴。実家は数駅しか離れてないのになぜ1人暮らししているのか?と。軽く答えた晴ですが、実はもう少し複雑な事情があったようです。晴の両親はすでに離婚しているようで……新しい母親の彼氏を見に実家に戻るものの、長居はしませんでした。

その夜、陸生は榀子に先日ご飯を作ってくれたお礼の電話をかけます。ところがそこで、今度は榀子が風邪を引いてしまったことを知りました。

慌てて駆けつけ、料理を作る陸生。翌日も熱が下がらなかったら病院に連れて行く、と言って帰ろうとしますが……。

翌日、映画の日です!しかし、約束の11時になっても陸生が現れる気配はありません。携帯電話がないこの時代、晴は陸生の家に電話をしますが出ません。もしかして……と晴の中にもやもやしたものが去就します。そうこうする内に時間はどんどん過ぎていく……。

陸生は榀子の家で寝ていました。どうやら約束の11時まで、榀子の様子を見るため待つつもりだったようです。しかしすっかり寝込んでしまった陸生は、約束の時間をとっくに過ぎていることを知り、慌てて榀子の家を飛び出します。ですが、待ち合わせ場所に晴の姿はいませんでした。

家路につく陸生。するとアパートの前で、晴が待っていました。陸生の無事を知りホッとしたものの、榀子の家に行っていた、と知った晴は、なにも要求しないと言ったのだから……と一度は心を落ち着かせようとしますが、やっぱり怒って陸生のことを傘でぶって駆け出していきました。

もう会わない、会えないかと思っていた陸生と、偶然の再開!晴はここで、満面の笑顔で自己紹介をします。とても印象的なシーンでした!
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それから数日、晴は怒ったままでした。しかし、陸生のバイト先には行っていない模様。晴はミステリアスなキャラを自称していましたから、陸生は晴のことをなにも知りません。

このままバイト先に行かなかったら関係が終わっちゃうのかな……寂しい一方、やっぱり約束をすっぽかされたことは悔しい。配達途中の交差点で、「約束したことぐらい守れよなー!」と叫びます。

しかしなんと!そこに偶然陸生がいました。大声に気づいて晴に声をかけ、改めて謝る陸生。もう会えないかも、と思っていた陸生が目の前に現れた晴は、キラキラとした顔で改めて自己紹介!これで、すっぽかしの件はとりあえず終わり!

モヤモヤからの爽やかな気持ちになったところで、第3話は終了します。

作品のテーマを問いかける晴。一方、榀子の動向は……?

第3話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

愛とはなんぞや?(晴)

雨中で陸生にこう問いかけた晴。これは本作のWebページにも出てくる、作品全体のテーマとも言えるセリフです。

現時点で、晴や陸生の「愛」とは、どうやら自分のためのもののように見えます。晴は陸生が榀子のことを好きと分かっていても好き。陸生は榀子が死んだ浪の兄に心を寄せていると分かっていても好き。片思いの状態です。

特に晴はそういう状態で自分の心がウキウキしていることが嬉しいみたい。思えば晴は、榀子に対しても恋は衝動的なものという発言もしていました。陸生のことを気に入っているのは間違いないようですが、一方で恋に恋する自分が好き……そんな雰囲気もあるようで。

作品全体のテーマを問いかけた晴。しかしここまでの晴は、愛というより恋という感じで陸生と接しています。
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でもそれは、「恋」の話。愛はもっと深いものと一般的には思われています。

今はどちらかというと自分の中で恋する気持ちを楽しんだり、持て余したりする2人ですが、自分という枠から踏み出していくことで「愛」を見つけるのか、どうか。そんなところも本作の見どころになってきそうです。

どこか似てるのよねぇ、あの2人(榀子)

風邪を引いた陸生にご飯を持っていった後、浪と陸生を思い出しつつ榀子がつぶやいたセリフです。

第3話は晴のターンでしたが、榀子の一連の行動やセリフも大いに気になるところです。榀子と陸生は、友達でもなく、恋人でもないなんとも説明のつきづらい状態。陸生が榀子のことを好きであることは、お互いに分かっています。

この状況でご飯を差し入れる行動は、陸生にワンチャンあるのではと思わせてしまうわけですし、見方によってはそれこそ陸生をキープしている?とも受け取れてしまう行動です。

いつもは看病している側なのに、看病されてしまう榀子。第3話は晴のターンでしたが、榀子についても短いながら気になる描写がいろいろありました。
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とはいえ、榀子がそういう人物でないことはここまで見てきて十分に分かりました。榀子は、人の面倒を見るのが好き、困っている人は見過ごせない、そういう性分なのでしょう。

それにしてもこのセリフは気になります。浪と陸生は似ている、という榀子。そして浪の兄も、割と浪に近い性格の可能性があることは第2話で一瞬ですが見えました。2人は、榀子が思いを寄せる浪の兄に似ている……つまり、2人とも恋愛対象の可能性?

しかし、榀子の性格を考えると、2人とも手のかかる弟、っていうのが1番近そうです(笑)とはいえ、今後、2人が榀子を巡って本格的にバトルを開始したとしたら、榀子はどうするのか?大変気になるところです。

野中晴!18歳!(晴)

陸生のことを考えてモヤモヤしていた晴。このまま終わっちゃうのかも……と思っていたものの、陸生が偶然現れました。その際に、陸生に一気に自己紹介した最初のセリフが、これです。

ストーリーパートでも見た通り、晴は複雑な家庭事情があります。そのためか、人と深い関係を築くことを避けてきた、と本人は思っています。

陸生に自分のことをあまり話さなかったのも、ミステリアスなキャラを作るためというよりは、陸生を好きと言いつつも深く関係するのが怖かった、というのが理由のようです。

でも、もう会わない、会えないと思っていた陸生と再会した晴は、一歩踏み込んだ。自分のことを話し、関係を強めようとした。

陸生にとっては訳のわからない一言だったかもしれませんが、晴にとってはものすごく大切な一言だったのではないかと思います。そしてこれが、「愛とはなんぞや?」の答えかもしれません。この点は、考察パートでもっと見てみましょう。

なお本人曰く、身長は153センチで体重は42キロ……見た目通り、かなり痩せ型ですね(笑)

お互いを知る、それが愛の第一歩、かな?

ちょっと一方通行な、これまでの晴の「恋」

待ち合わせですれ違うシーン、彼らは公衆電話でお互いの家に電話をかけたり、かけようとしたりします。携帯電話がまだなかったころ、待ち合わせ場所で会えないと大変だったんですよねぇ。現代を舞台にしたら見られないシーンでした。

携帯電話があれば、待ち合わせに来なくてもすぐに連絡が取れるのですが、この世界観ではそうはいきません。緑色の公衆電話も久しぶりに見た気がします。
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さて、第3話では早くも本作のテーマである「愛とはなんぞや?」というセリフが出てきました。そしてその第3話のラストシーンが晴の自己紹介だったのは、かなり印象的であり、これが愛の第一歩、と思わせるものでした。

第3話の序盤、晴は陸生に「愛とはなんぞや?」と問いかけています。しかし2人がそこで思い描いたものは、片思いをしている自分でした。

でも愛は、もっと双方向なもの。相手のことを深く思い、考え、行動する。それが愛だとしたら、晴はその入口にすら立っていない。なぜなら、陸生は晴のことを全然知らないのですから。

晴は、複雑な家庭環境がトラウマになっているためか、人と深く関係を築くことを避けてきました。なので、好きな相手である陸生にすら自分のことを教えていなかった。

口ではミステリアスなキャラと言っていますが、それが逃げだということは晴自身も分かっています。

相手のことを知り、相手のことを思うのが「愛」、かも?

そんな晴が、陸生と再会して一歩踏み込んだ。相手に自分のことを知ってもらう。そして相手のことをもっと知る。一方通行になりがちな恋から、双方向に気持ちが通じる愛に、勇気を出してちょっと近づいた。晴のあの自己紹介は、それを象徴するセリフだったのかもしれません。

自己紹介をしたときの晴のキラキラした笑顔は、逃げていた自分から脱却した満足感や、陸生へもっと近づきたいという気持ちが全面に現れていて、ものすごく素敵でした!晴、毎話いい表情を見せてくれますねー!!すごく引き込まれる表情連発って感じです!

待ち合わせに来なかった陸生が無事と知って、心底ホッとする晴。一方通行ではなく、相手のことを考える……それが愛だとしたら、晴はちょっとずつ陸生に単なる恋ではなく、愛情も持ちつつあるのかもしれません。
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一方の陸生は、人間関係もそうですし、そもそも自分から逃げている節もある。実は晴と似た者同士ということがよく分かった第3話でもありました。こうした関係が、今後どういう意味を持ってくるのか……?

そして愛は、究極的には無償のものです。もしかしたらそれを体現しているのが榀子かもしれません。浪の兄に、浪に、陸生に世話を焼く榀子。でもそれの見返りを求めようとはしません。

セリフ解説パートではいろいろと榀子について考察しましたが、もっと純粋に榀子が愛情深い人物だとまとめると、本作の見方はより深くなってくるように思います。

とはいえ、これらは全て私が考えた「愛」。今後陸生たちは、悩み抜きながらこのセリフの答えを出してくれるものではないかと思いますし、その過程に期待したいですね。

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