「弱キャラ友崎くん」 3話 感想 ~ 根本的に男女関係の捉え方が異なる文也と葵……何が違う?

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

お次は友崎くん第3話です。この作品、すでに語りたいことが満載で今回もまた長くなってしまいました……。

が、書くのには全然時間は必要なかったです。それぐらい書きたいことがたくさんあった、ということかなと思います。

お付き合いいただけましたら幸いです。

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会様公式HPより引用しています。

いい感じに変化しつつある文也に、イベント連続発生!

第3話のストーリーまとめ!

葵の人生ゲーム攻略は校外へ。休日に2人、洋服を買い、美容室へ行くことに。店員のセンスに丸乗っかりですが、かなりいい感じに変身することができました。

そこで意外な出来事が。2人が向かった雰囲気のあるレストランで、同級生の風香がアルバイトしていたのです。しかも風香は文也をなぜか良く思っている節が……これを見た葵は、風香を攻略対象、つまり文也の彼女にすると言うのです。

風香が文也のことを良く思っている理由は数日後に分かることになります。彼がいつも移動教室の際に時間を潰していた図書室で、手近にあるという理由で読んでいた本が、風香の愛読書だったのです。

なかなかの読書家で小説まで自分で書くという風香。文也を信頼し、その小説を読んで欲しいと頼むのでした。

「経験値稼ぎ」で話をしていた優鈴と、まさかのイベント発生?
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

さて、葵からは新しい小さな課題が出ていました。それは1日2回、優鈴に話しかけること。うまく行かなくてもともと、ダメでも経験値を積むためという課題でしたが、文也はこれもなんとかクリアします。

すると、その最終日にイベント発生……?昇降口前で暗い顔をしていた優鈴に声をかけたところ、優鈴からアタファミを教えろと言われることに?!

なんかイベントが連続で発生してないか??第3話はここで終わります。

コミュニケーションは言葉だけじゃない、体全体だ!

第3話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

言葉に頼りすぎてるのよ(葵)

文也を観察した結果、彼は表情などのリアクションに乏しいことを見抜いた葵。このように指摘した上で、自分と「あいうえお」だけで会話してみろと言う無理難題を言います。

ここは注目したいところ。葵は暗に、「メラビアンの法則」(3Vの法則)」の重要性を文也に伝えているのです。

メラビアンという学者は、人が会話をする際は「言語メッセージ(言語情報)」「順言語メッセージ(聴覚情報)」「非言語メッセージ(視覚情報)」の3つが発せられており、「感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合」(Wikipediaより)であるとまとめました。

言葉だけじゃなく、声色や表情によって人は多くの情報を提供しています。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

明るい声、にこやかな表情で「おはよう」と言うのと、暗い声、沈んだ顔で「おはよう」と言うのでは、同じおはようという言葉でも、受け止め方は全然違いますよね。このような状況では、声の高低や態度の方が、言葉そのものよりはるかに相手に伝わるとメラビアンは分析したのです。

この話は各種のセミナーなどでよく言われるため、よく「言葉は不要、見た目が一番重要」などと過度に簡潔にまとめられがちですが、法則自体は「矛盾したメッセージが発せられた際」という注釈があることにはご注意下さい。

ですが、会話の情報が言語、聴覚、視覚という3つの情報に分かれているということ自体は覚えておくべきでしょう。事実、文也は葵との会話で、「あいうえお」だけで会話することに成功しています。声色や態度をしっかり伝えれば、それだけでも結構会話が成り立ってしまうもの。

半信半疑の方は、まずは明日、家族や友人に明るい声と笑顔で「おはよう!」と言ってみてはいかがでしょうか。きっといい反応が返ってきますよ♪

こういう話するの初めてで、嬉しいです(風香)

葵の人生ゲーム攻略が始まるより前から、文也に好印象を抱いていた風香。それは彼女が読書好きで、しかも自分の好きな本を文也がいつも読んでいるからという理由でした。

まぁすでに述べた通り、文也は単に席の近くにあるから取り出していただけで、本の内容などそっちのけでアタファミの攻略ばかり考えていたわけですが……。

文也を読書家と見込んで、自分が書いている小説を読んで欲しいと頼んだ風香。その際に、このセリフを言うのです。

実はこの段階で、文也はどデカいモテテクニックを使っています。それは「秘密の共有」。他の誰にも知られない秘密を共有することで、信頼感を培い距離を縮めるというものですね。これは同性相手にも使えます。

読書好きの風香は、同じ趣味(ではないのだけど)の文也をもともと気にかけていたことが発覚し、秘密を打ち明けました。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

偶然とはいえモテフラグを立ててしまうとは……やりおる。これはもう、半分ぐらい葵の出した課題である風香攻略をクリアしていると言えるのでは?

風香自身、雰囲気や趣味からしてあまり交友範囲が広そうではありませんし、異性の友人もいなさそうですしね。自身にとって一番の秘密を共有した文也に対し好意を持つのは時間の問題でしょう。

もっとも、風香に対しこれといった感情を持っていない文也は、葵の出した風香攻略に難色を示します。それが次のセリフに繋がります。

逃げる理由にしないでよね(葵)

難易度が低そうな風香を攻略対象にしようと言い出した葵。しかし文也は、特に好意を持っているわけでもない風香をそのように扱うのは誠実ではないのではないか、と難色を示します。

この「誠実」というキーワードは作中数回出てきます。それを聞いた葵は少しいらついて、このセリフを口にしました。

さあ、皆様は文也と葵、どちらの言うことの方に納得感がありますか?共感しますか?
この点を考察パートで考えてみましょう。

葵が男性的で文也が女性的?2人の男女観の違いとは

(注釈)ここから先は、男女における一般論です

ここから、私の知りうる一般論を述べます。
ただ男女の話は、基本的に一般論で収まるものではありません。というのは男性でも女性でもかなり個人差があるためです。その理由はどこかで触れたいと思いますが、長くなるので今日は割愛させていただきます。

あくまで男性、女性にそういう傾向があるという話ですが、中には不快に思われる方もいるかと思います。ですが、ここは本作を理解するために敢えて書いていきたいと思います。

まず、「なぜ人間は異性を好きになるのか?」という点について。これはズバリ、「種を保存する本能があるため」です。つまり子供を作りたいと思うためですね。これは生物としての本能です。

これは他の動物も同じですし、人間も2000年?3000年?それより前からずっと、変わらずその本能を持っています。

攻略対象に指定された風香。バイトのときだけメガネを掛けているようです。某ハ○ヒに出てきそう……(笑)
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

その本能からいくと、基本的に男性は多くの女性と交配したい……マイルドに言えば付き合いたいと考えている。それはその方が、多数の子孫を残せるためです。

しかし一方、女性は1人の男性に守ってもらいたいと考える。なぜなら、女性は一度妊娠すれば約10ヶ月行動に制限がかかりますし、その子供を独り立ちさせるまでにも時間がかかる。そんな行動に制限がある際に、男性にあちこち行かれては困るためです。

まずここに、男性と女性の異性へ対する考え方に根本的な違いがあることを理解しなくてはなりません。

そしてさらにややこしいのが、人間社会は本能的に動くことを制約するための様々なルールが設定されていることです。

例えば上記で男性は複数の女性と交配したいと書きましたが、現代ではそれがNGな行為なのはみなさまご存知の通りです。

つまり男女の関係は、生物的に刻み込まれた本能と、社会的に作られたルールの狭間でせめぎ合っていると言ってもいいでしょう。

葵は生物学的に男女関係を捉えている

その視点から、第3話の会話を見ていきますと分かることがある。

女性であるはずの葵は多くの女子と交流しろと男性的な発言をし、逆に男性の文也のほうが複数の女子と交流するのは誠実さに欠けると、それぞれの性とは逆転した発言をしているのです。これはかなり面白いポイントでしょう。

なぜ2人の会話が逆転しているのか、については、冒頭で述べた「男女の法則には個人差がある」ところに関係すると私は考えていますが、今日はとりあえず作中見えるところで分析しましょう。

まず葵。葵は文也に向かって「風香を最初の攻略ヒロインにする」と発言しています。最初ということは、つまり葵の計画では、仮に文也が風香と付き合ったとしてもそれは他の女子……おそらく校内でステータスの高いネクタイ派の女子と付き合うためのステップであると言っているのです。

これはすなわち文也に(同時かどうかは別にして)複数の女子と付き合えと言っているわけで、男性の生物学的な本能を理解している発言と言えるでしょう。

これは基本的に女性の発言らしくありません。少なくとも葵は自分がそんなことをされたら激怒するでしょう。

ですが葵は現時点で、文也も風香も人生というゲームのキャラクターとして捉えているフシがあり、その人生というゲームでより理想的なゴールは、風香のような目立たない女子ではなく校内で目立つ女子と付き合うことにあると考えています。

葵がなぜこのような考え方に至ったのか、そこも注目したいところ。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会

葵がこのような発言を行う理由はおそらく2つ。

1つが文也という自分が操作するプレイヤーキャラを高いレベルに持っていきたいという気持ちから。レベルの低いボスより高いボスを倒したほうがゲーマーとしては気持ちいいでしょう。その気持ちがあるのではないか、と思われます。

もう1つは、葵には男女とはそういうものだ、これこそが人生というゲームのルールなんだというドライな気持ちがあり、文也に対しそれを伝えたいという使命感的なものがあるのかもしれません。基本的に葵と文也の間には、NONAMEとnanashiとしての信頼関係がありますからね。

文也は逆に、社会的に男女関係を捉えている

さて、一方の文也。彼は葵のそうした発言を「不誠実」という言葉で否定的な反応を示しています。これは文也が、男女の関係を社会的なものとして捉えているためです。

特にオタク男性はそうした傾向があると私は思っています。それはなぜなら、オタク男子にとって男女関係の教科書は漫画やゲームといった創作物であるケースが多いためです。

そしてそうした創作物ですと、(途中経過はともかく最終的に)男性は1人の女性を愛することが理想的であり正しいこと、としているケースが少なくない。つまり文也は、葵の発言に対し「俺の見てきた教科書の教えと違う」という違和感を示しているのです。

男女の関係を生物学的に捉える葵。逆に社会的に捉える文也。
2人の発言の根底には、男女関係を捉える視点に根本的な違いがある。
ここを踏まえると、本作の見方はまた一段と面白くなってくるのではないか?と思います。

ちなみに上記の解釈は、森川友義氏の著書を参考しています。リンクしか貼れませんが、興味がわきましたら是非どうぞ!

マンガde恋愛学!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です