「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」 4話 感想 ~ トウカイテイオーは鍛錬で長距離をカバーできるか?科学的に考えてみた。

© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

無敗のウマ娘であり続けると宣言したトウカイテイオー。彼女は復帰後、天皇賞(春)を目指すと公言します。しかしそのレースは、チームメイトでライバルのメジロマックイーンが目指すレースでもありました。

メジロマックイーンは前哨戦の阪神大賞典を勝利。さあ、次はトウカイテイオーの番です!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会様公式HPより引用しています。

ガチンコ勝負だ!トウカイテイオーとメジロマックイーン

第4話のストーリーまとめ!

トウカイテイオー、復帰戦は大阪杯!チームカノープスのイクノディクタスなどのライバルを相手にした一戦でしたが、これに勝利!見事な復活勝利を果たしました。

世間ではミホノブルボンがトウカイテイオー同様に無敗の皐月賞馬となるかどうか関心が集まる中、トウカイテイオーとメジロマックイーンは互いに別メニューで調整するよう言い渡されました。これをきっかけに改めて、2人は天皇賞まではライバルとして火花を散らすようになります。

天皇賞を前に、2人のライバル心が沸き立ちます。
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トウカイテイオーは坂道を駆け上がる訓練を、そしてメジロマックイーンは重たい蹄鉄をつけてステップを強化する訓練を課せられた2人。それぞれが不安とするスタミナと切れ味をカバーするための練習であり、2人は仲間と共にそれに一生懸命取り組みます。

ミホノブルボンが無敗で雨の皐月賞を制し、さあいよいよ次は天皇賞!
トウカイテイオー、メジロマックイーン、2人のライバル対決がいよいよ決着の時へ!

第4話はここで終わります。

トレーニング、メンタル……勝つためには何が必要?

第4話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

プレッシャーは、あるよ。でもさ、プレッシャーのないレースなんて面白くないよね(トウカイテイオー)

ミホノブルボンがトウカイテイオー同様に無敗で皐月賞に挑んだ際、トレーニングに付き合ってくれていたダイワスカーレットとウォッカと無敗についての話になります。その時に彼女が口にしたのがこのセリフでした。

大舞台でプレッシャーを感じるか、否か。大舞台で強いスポーツ選手の中には、プレッシャーを全く(ほとんど)感じないという人も結構います。

重圧を結果に変える!スターの証です!
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ただ、近年はメンタルトレーニングも進化しており、適度なプレッシャー(≒ストレス)がかかる際が一番力を発揮する、という研究結果が出ています。

プレッシャーを前向きに捉えるトウカイテイオー。スター的素養が感じられる言葉ですが、実は科学的にも一番いい状態であることを示唆していたのですね!

スタミナは鍛錬でカバーできる!(トウカイテイオー)

短距離に適性があると思われていたミホノブルボン。しかし「マスター」と呼ぶトレーナーの指示に従いトレーニングを積んだ結果、中距離の皐月賞に勝利しました。それを見たトウカイテイオーはこの言葉をつぶやき、自身を励まします。

まずこのセリフの裏には、リアルのミホノブルボンと故・戸山元調教師のエピソードがあることに注目したいところ。

戸山師はハードなトレーニングで馬を鍛えて結果を出すことで知られており、その集大成がミホノブルボンであることは有名です。

もっとも、戸山師のハードなトレーニングは結果は出るものの故障が多い……という賛否もついて回りました。

ミホノブルボンは史実でもハードなトレーニングで有名でした。
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また、その戸山師が頼ったのが坂路調教です。文字通り坂を駆け上がる調教で、今ではポピュラーなメニューですが、先に坂路ができた西の栗東トレーニングセンター所属の馬が大活躍し、それが現在の競馬界の「西高東低」にもつながっていると指摘する人は少なくありません。

史実同様、ハードなトレーニングで皐月賞を制したミホノブルボンとそのトレーナー。
彼女らの姿を見て自分を奮い立たせたトウカイテイオー。

鍛錬は果たして、彼女を勝利へと導くのか?

このテーマは非常に面白いので、考察パートでも取り上げたいと思います。

ウサギはカメを見ていた。しかしカメはゴールを見ていた(祖母)

皐月賞が終わり、いよいよ天皇賞!しかしメジロマックイーンは、「TM対決」と呼ばれていることが気に入りません。T、つまりトウカイテイオーの方が先……トウカイテイオーの方が主役なのか、自分は世間からトウカイテイオーの引き立て役に見られているのか、と。

しかしそんなメジロマックイーンのことを、祖母は一喝します。その際に彼女に発したのが、この言葉でした。同時に、「ライバルは大切だけど、それよりも大切なものがあるはず」とも諭しています。

ウサギとカメの競争で、ウサギは相手のカメを見ていた。カメが話にならないぐらい遅いから途中で昼寝をしてしまった。しかしカメは相手のウサギではなく、ゴールをしっかり見据えていたから、最初ウサギに突き放されても黙々と歩を進め、最後はウサギを追い抜いた。

見つめるべきは相手ではなくゴール!
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もしウサギが最初から真摯にゴールを目標としていたらこんなことにはならなかっただろう、とか、どんな状況でも目標を忘れず頑張ることは大切だ、とか、そんなことを伝える際のメッセージです。

祖母はトウカイテイオーのことを意識するメジロマックイーンに対し、そういうことを伝えようとし、そしてメジロマックイーンはそれを正しく受け取っています。彼女の迷いのない表情、非常にいいですね!

ところでメジロマックイーンの祖母と言うと、血統表を見る限りだとメジロアイリスですかね?または、牡牝を逆にすることで定評のある本作ですから、血統表上の祖父、メジロアサマかもしれません。ここもちょっと気になるところです。

心肺能力、筋肉、馬体……競走馬を科学する

G1扱いされていた大阪杯

天皇賞の前哨戦、大阪杯は割とあっさり描かれたトウカイテイオー。よくよく見ると、トウカイテイオーは正装して大阪杯に挑んでいます。

本作の世界観では、G2以下では体操着でレースをしますから、正装で挑んだ大阪杯がG1扱いされていることが分かります。でも、トウカイテイオーが挑戦した頃の大阪杯ってG2だったんですよね。

大阪杯がG1に格上げされたのはつい最近の2017年。アニメは現行基準に合わせているものの、深く突っ込まれるのも面倒なのでサクッと流した……のかもしれません。

競走馬を科学したリンクをまとめてみた

さて、セリフ解説パートでも触れた「スタミナは鍛錬でカバーできる」というセリフ。これ、本当なのかな~と思い、いくつかのHPを見たりしました。そしたらとても面白かったので、ここに記録しておこうと思います。

【ズームアップ】心臓の強さが名馬の条件!JRA羽田獣医に聞く

まずはこの記事。競走馬として強い、弱いを判別する際に、重要なポイントとして心肺機能が近年注目されています。強度な運動をしても心拍数が低い馬は活躍できる、という話は、特にキタサンブラックが活躍した頃からよく取り上げられるようになりました。

坂路調教が心肺機能に与える影響について

まさにミホノブルボンに触れて、坂道を駆け上がる坂路調教が心肺機能を強化するという分析がされています。

持久力・スタミナをつけるためのトレーニング方法

心肺機能が強い=持久力があるというのは人間でも同様で、スタミナがある人は基本的に心肺能力が高いです。
「全身持久力を向上させると、毛細血管が発達し、筋繊維内に流れ込む血液量が増えます。血液量の増加に比例して運搬される酸素も多くなるため、有酸素運動に必要な酸素を長時間供給することが可能になります」
とは、↑のHPからの引用です。

遅筋と速筋から見る競走馬の適性

人間世界だと、長距離短距離は「遅筋」「速筋」が違うというような話をされます。じゃあ馬もそうなの?と思いつつ、どうやら馬の場合は基本的に遅筋と速筋の割合は変わらないようです。

ミオスタチン(筋抑制因子)と競走馬の距離適性

ただ、この論文によれば遺伝的に筋力量が少ない馬の方が長距離に適しているとのことです。論文中にある、国(地域)ごとに勝利馬の傾向が違うという分析は大変興味深く読むことができました。

第12回 体の大きな馬と小さな馬、どっちが有利なの?

また、体型の問題もありそう。軽い方が長距離が有利、というのは人間でも当てはまる話ですが、上記の分析ではそもそも軽い馬より重い馬の方が全体的には活躍する傾向あり、とのことです。

なおその観点で見ると、アニメ作中トウカイテイオーは小柄なキャラクターに分類されますが、史実でも確かに軽い方(連勝中は460kg前後)だったようで、この辺の描写も細かいですね。

競馬は血の通ったスポーツ。だから面白い!

ということでここまでいろいろ見てきましたが、「スタミナは鍛錬でカバーできる」は一概には言えなさそうなところがあります。もともとの心臓のポテンシャルや筋肉、体型は遺伝的なものがありますからね。

ですが、見てきた通り適切なトレーニングにより血管を発達させて持久力をある程度上げることは可能であるのも確かなようですし、それは人間でも通じる、ということも分かりました。

競馬は機械ではなく、命ある動物・ウマが行う競技です。今回はトウカイテイオーの言葉をきっかけにいろいろ調べてみましたが、ちょっと見ただけでもこれほど様々な情報が入って楽しかったです。
やっぱり競馬は面白い!

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