前哨戦を勝利したトウカイテイオーとメジロマックイーン。様々な想いを胸に、2人は天皇賞の日を迎えます。
印象的なセリフや描写が多数あった、見応えバッチリの第5話を見ていきましょう!
※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会様公式HPより引用しています。
この日のために鍛えた2人、勝負の女神が微笑むのはどちら?!
第5話のストーリーまとめ!
いよいよ、春の天皇賞が近づいてきました。トウカイテイオーは坂路トレーニングで、課題だったスタミナをつけてきました。一方、メジロマックイーンは重たい蹄鉄で切れ味を鍛えてきました。
レース当日。大観衆が見守る京都レース場で、トレーナーは頭を抱えます。レースが始まれば、どちらかが必ず負ける。レースは残酷なものだ……と口にしますが、当の本人たちは自分が勝つことだけをイメージしており、気合い充分です。
しかしここでアクシデント!メジロマックイーンが落鉄をしてしまいました。こうしたトラブルによってスタート時間が遅延すると集中力が乱れるウマ娘もいますが、トウカイテイオーもメジロマックイーンも落ち着いています。
改めて、レースがスタートします。メジロパーマーが逃げてペースを作る中、メジロマックイーンは先行ポジション、トウカイテイオーは彼女をマークするすぐ後ろにつけていきます。終始この位置をキープしながら2人は突き進み、運命の直線に入ります!
ですが、トウカイテイオーは伸びませんでした。3000mを超えたあたりから、思うように足が動かなくなります。対するメジロマックイーンはスタミナ、切れ味ともに衰えることなく、そのままゴールラインを駆け抜けます。春の天皇賞を制したのは、メジロマックイーン!
無敗のウマ娘であり続ける……そう決意して挑んだ天皇賞で、トウカイテイオーは負けてしまいました。しかし彼女は共に競い合ったメジロマックイーンに握手し、抱きしめます。メジロマックイーンは満面の笑みでそれを受け入れるのでした。
第5話はここで終わります。
トウカイテイオー、メジロマックイーン、人柄が表れた一言
第5話の名ゼリフ・迷ゼリフ!
諦めないことが大事だからね。だから頑張らなきゃ(トウカイテイオー)
練習中にツインターボに「怪我した時はもうだめだと思ったぞ」と言われた後、トウカイテイオーが言った一言です。ツインターボは偉そうな態度でトウカイテイオーをライバル視していますが、そもそも一緒に走れる資格を取れてないのに……というのは言わない約束。
このセリフ、トウカイテイオーとしては復活のため努力してきたことに対する自負が込められています。ただ期せずして、成績不振に伸び悩むツインターボを励ました一言になりました。
トウカイテイオーはもう長いこと超有名ウマ娘ですが、誰にでも飾らず接する素朴な人柄がとても魅力的です。これが人気の秘訣なのでしょうね。ツインターボの名前は覚えていないようですが(笑)
ただ注目したいのは、このセリフは単にトウカイテイオーの人柄を表しているだけでなく、今期全体のストーリーの方向性を示す一言になっていることです。
競馬ファンなら、いやファンでなくてもネットを見るとすぐに分かりますが、トウカイテイオーという馬は波乱万丈の競走生活を送りました。連勝し、怪我をし、天皇賞では初黒星……アニメだけでもすでにいろいろな出来事が発生しています。
それでもなお、前を向き続けて走るトウカイテイオー。どんなに不運があろうが、笑顔を見せるトウカイテイオー。彼女の、ただ単に速いだけでない強さが、この一言に詰まっているように思います。
競い合うライバルがいる彼女たちが羨ましいよ(シンボリルドルフ)
盛り上がるレース場を眼下にして、ライバル対決というのはいいものだと口にするシンボリルドルフ。
改めて史実を調べると、シンボリルドルフの戦績は16戦して13勝。すさまじい記録です。しかもそのうちの1敗は、当時(1986年)日本競馬よりはるかにレベルが高いフランスのものですから、なおのこと。
私もこの時代の競馬は知らないことが多いのですが、このセリフを聞いて「シンボリルドルフのライバルと言えば、ミスターシービーではないのか?」と思いました。シンボリルドルフの1年前に、クラシック3冠を成し遂げたミスターシービー。1984年と85年には、ジャパンカップ、有馬記念、天皇賞(春)でシンボリルドルフと対戦しています。
ただ調べると、ミスターシービーは3回ともシンボリルドルフに先着されていますから、ライバルとはいえないでしょう。シンボリルドルフと対戦する時は、ミスターシービーはすでに全盛期を過ぎていたようですし。
しかし、私はこうも聞いたことがあります。「よく言えば堅実、悪く言えば手堅く地味に先行策を取るシンボリルドルフよりも、後方一気で攻めるミスターシービーの方が人気があった」と。事実、84年の有馬記念はシンボリルドルフが1番人気で1着を取っていますが、ファン投票ではミスターシービーが1位でした。ファンはよく見ていますね。
人気面では、十分にシンボリルドルフのライバルだったミスターシービー。ウマ娘に一応登場していますが、クラシック3冠馬の割に存在感が薄いんですよね……個人的には、もっとシンボリルドルフとの絡みを見てみたいんですが。
あなたがいたから、今の私になれました(メジロマックイーン)
天皇賞を優勝したメジロマックイーン。ゴール後にトウカイテイオーに声をかけられて、笑顔でこの言葉を口にしました。
この天皇賞に向けて、メジロマックイーンは様々な感情を抱えながら歩んできました。前哨戦以降は、チームもメジロマックイーンとトウカイテイオーで分かれて練習をしました。世間ではトウカイテイオーの方が強いと思われていました。そしてその事について不満を持っていることを祖母に「相手が違う」と一喝されました。
そもそも、メジロマックイーンはトウカイテイオーと違い「負ける怖さ」を知っている。何より、トウカイテイオーの強さもよく知っている。
そうした諸々から、レースが近づくにつれてメジロマックイーンの表情が硬くなっていくのが画面越しにも分かりました。プレッシャーを力に変える性格のトウカイテイオーと違い、メジロマックイーンが基本的に真面目な性格で、ややもすると自分を追い込みがちなところがあることがよく分かります。
そしてだからこそ、勝利後にこれまでの硬い表情から開放されて、嬉し涙を見せるマックイーンの姿はとても印象的でした。
このセリフには、自分の壁になり、成長させてくれたトウカイテイオーへの感謝が込められています。そしてそれは、この天皇賞だけではなく、入学してこれまで切磋琢磨してきたことに対する感謝でもあるでしょう。
もともと努力家のメジロマックイーンでしたが、トウカイテイオーが同じぐらい練習すると知ると、負けじと遅くまで練習するようになりました。でもそもそも、トウカイテイオーが練習に励むようになるのはメジロマックイーンの存在があったからでもあります。
2人の関係を象徴するセリフが、とてもいいところで出ましたね!
このレースをトウカイテイオー視点で捉えて、レース前の「負けても泣かないでくださいます?」を見ていこうかとも思いましたが、こっちの方をピックアップ!
直接対決、勝敗を分けたのはスタミナだった
史実では1歳差?実際のレースを見てみよう
とまぁ、いろいろ盛り上がって書きましたが、そもそものツッコミとしてメジロマックイーンとトウカイテイオーって同級生って設定になってますけど、史実だと生まれた年は1年違うんですよね……メジロマックイーンが1987年生まれ、トウカイテイオーが1988年生まれです。
スペシャルウィークとサイレンススズカはその辺をちゃんと加味して先輩、後輩の関係を作っていたのですが。ま、この辺をあまり細かく言うのは野暮ですかね。
さて、史実の天皇賞(春)を見てみましょう。1992年4月26日、場所は京都競馬場です。本作、レースの日付はすべて史実から来ており、非常に忠実に作られていますね。
長距離レースは、一度ホームストレッチを通ってからもう一周します。個人的にはこれが好きなんですよね~。この際の大歓声、ビッグレースという感じがしてワクワクします。
メジロパーマーの逃げを3コーナーで捉えたメジロマックイーン、それをマークするトウカイテイオー。4コーナーを抜けたところではいい勝負ができるか?と思われました。
しかし、トウカイテイオーは直線に入って伸びません。対するメジロマックイーンは直線でもグイグイと伸ばしてスタミナの差を見せつけています。トウカイテイオーは距離の壁をかなり感じる負け方ですね。
諦めず、頑張り通せるか……トウカイテイオーの今後の姿に注目だ
馬場も命運を分けたかもしれません。アニメでも示されるとおり、当日の馬場は芝がかなり剥げており、力が必要となる馬場になっています。これもトウカイテイオーには不利に働いたか。
もっとも、それでも3000mまでは力強く走っていますし、そこからも大敗とまではいかずとりあえず掲示板確保(5着)はしました。地力は他の馬より抜きん出ていることが分かります。
ついに黒星を喫したトウカイテイオー。無敗の3冠ウマ娘という目標が成し遂げられず、無敗のウマ娘でもなくなってしまいました。
今後、何を目標に走るのか? この状況下でも、諦めず、頑張り通す事ができるのか?次回以降に注目です。
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