えー、失策を犯しました。第5話を見る前に、間違って第6話を見てしまいました……。記事まで全部書きあげたのに。
なので、第5話を改めてみて一部「ああそうか」と思うところもありました。
ただ、展開的に第6話が極端なネタバレになっていなかったのでそこはありがたいところ。また、第5話は第5話で「そう来たか!」と思えるテーマを扱っていたので、今回はそこを取り上げていきたいと思います。
※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会様公式HPより引用しています。
2回の提案を通せ!リア充な休日に文也が挑む
第5話のストーリーまとめ!
中村とのアタファミ勝負からの週明け、文也は中村修二の友人、水沢孝弘に声をかけられます。エリカに対し努力について語った文也にちょっとした共感を持ったようで、自分は文也の味方だと告げます。お近づきの印に、文也、孝弘、葵、プラス女子で休日に食事に行こうと誘われました。
問題はそのプラスの女子です。葵は文也に誘えと指示。文也はそこで、優鈴を誘おうとしました。修二の誕生日が一ヶ月後だと話題カードで知っていた文也はそれをネタに誘います。
当初みんなを巻き込んで買い物、というのが乗り気でなかった優鈴ですが、文也が自爆気味に自分も修二のプレゼントを買うと言ったら成功!これで4人で食事プラス買い物に行くことになりました。それにしても……野郎に、それも仲がいいわけでもないのに誕生日プレゼントって(笑)
ですが、ここでも葵の課題が出ます。それは「2回以上、自分の提案を通す」こと。場の主導権を、ひいてはその場の空気を操る練習とのことでした。
しかし優鈴とはうまくコミュニケーションを取れた文也ですが、提案を通すことに関しては難しい……文也が切り出そうとしても孝弘がいいタイミングでみんなに提案するため、文也が提案できたのは1度でした。
翌日、それを葵に詰められた文也。葵から、正しいかどうかより皆が納得する提案を言うことが大切だと言われ、それは違うと反論した文也ですが、ゲームに例えられて「確かに」と納得します。
その後、生徒会長選挙の公募がされることに。そこに南は立候補。ですがなんと、みなみも立候補……?どうなる?
第5話はここで終わります。
葵、孝弘、そして文也……交錯する人間関係
第4話の名ゼリフ・迷ゼリフ!
嫌いじゃないんだよ、ああいうの(孝弘)
本作、サブタイトルが毎回凝っているのが特徴的です。第5話のサブタイトルは「難関イベント攻略後に仲間になるキャラはだいたい能力値高い」で、これまたゲーマーならウンウンと頷いてしまうものでした。
ここで言う能力値の高い仲間キャラとは、孝弘のことですね。確かに高身長でイケメン、友人も多いと言うことがない強キャラです。
その孝弘、不意に文也に話しかけ、先日の啖呵に共感したと言います。その前の段階では、マジなのはダサいし暑苦しいしキモいとも言われるけど、とも言っています。
孝弘は修二とつるむ、男子のリア充グループの一員です。ただ、だからこそグループのルールに縛られ、本音が言い切れずにいた、という感じですね。そう言えば第2話でみなみも「周囲に意見を合わせがち」と悩みを吐露していました。リア充はリア充で大変なようです。
みなみも孝弘も、そのグループから外れた存在である文也には本音を口にしています。この人なら相談しやすい、この人なら分かってくれる……文也はそんな信頼をちょっとずつ獲得しているようですが、そういうポジションというのはなかなか貴重で、なりたくてなれるものではありません。
葵の人生ゲーム攻略に従っている内に、文也は独特な立ち位置を築きつつあるのかも?
あの2人、噂があるんだよね(優鈴)
4人で買い物中、優鈴は葵と孝弘が噂の関係であることを文也に伝えます。すでに付き合っているとも。実際、2人は買い物中もなかなかいい雰囲気でした。文也は想像もしていなかったようです
この話は本当なのかどうか?よく考えると孝弘は、文也を誘う際に葵と誰か、という言い方をしています。また、文也が葵と最近よく話していることも知っていました。葵をよく見ていて、彼女を誘うために文也をダシにした?とも思える展開です。
ただ、付き合っていたとしたら文也をダシにする必要もないわけですから、付き合っているまではないでしょう。
葵はどうでしょうか?孝弘の前で仲良く接している感じですが、葵が見た目通りの女子でないのは文也、そして視聴者はよく知っていることです。もしかしたら、葵は孝弘と付き合うことが人生ゲームの1つのゴールと考えている?
いや、それ以上にイケメンの孝弘に気を持たせることが、自分の価値を最大に高めることと思っていたとしても不思議ではありません。
そしてそれを聞いた文也。本人に真相を聞けずじまいでしたが、本作において文也と葵の関係がどうなのか、というのは注目ポイントの1つです。
現状、葵と文也は完全に教師と生徒です。葵は文也を男子として見るレベルにないと思っていますし、文也もまた葵は、アタファミならともかく学校では別格の存在として見ています。
2人が恋愛的展開になる要素はここまでは微塵もありませんが、終盤にそういう話が展開されるのか、どうか?作品の縦軸が1つできましたね。ここも今後見ていきたいと思います。
しかし、優鈴はこのセリフの前に「これ、ナイショね」と前置きしています。噂話というのはこうして伝わるものだな……というのがよく分かる一言でした。
聞こえがいいことで騙せばいいってことかよ?(文也)
課題である2つの提案を通すことが実践できなかった文也。その理由として、葵は提案の通りやすさと正しさは異なる、相手にそうだと思わせることが重要だと言います。それに対し文也はこのセリフを呟き、葵は不敵な笑顔でそれを肯定しました。
このセリフに文也は真っ向から反発します。これについて、考察パートでじっくり見ていきましょう。
文也も激しく反発!葵の持ち出した強力すぎる武器
挑戦的な意見が本作の魅力?
第3話では、恋愛論について2人の意見がぶつかりました。読書が趣味でなくてもそれをきっかけに風香と仲良くなって付き合えばいいという葵と、そんなやり方は誠実さを欠くと言った文也。
今度はさらに話が大きくなって、場の空気のコントロール、さらには政治的な話にまでつながるテーマをぶち込んできました。こういうヲタ(=視聴者)の常識に対して挑戦的な意見をぶつけるのが本作の大きな見どころで、魅力でもあります。
ただもしかしたら、それを魅力と感じずに嫌悪感を示す方もいるかもしれません。それはそれでいいと思います。ですが1つ言えることは、本作はライトノベルの賞を立て続けに獲得しているという事実。つまり、ややもするとアンチがつきかねない挑戦的な意見が、ファンの関心を掴んでいることは間違いなさそうです。
では改めて、葵の発言を検討しましょう。端的にまとめれば、葵は提案を通す≒場の空気を掴む≒仲間を増やすためには、正しいことを発言するのではなく、正しいと納得させることを発言するべきと言います。そのためには発言が必ずしも正しくなくてもいい、とも。
文也が強く反発したのはこの「必ずしも正しくなくていい」という部分でしょう。事実、文也は「騙す」という言葉を使って嫌悪感を示しています。また、「正しいことが通らない」という点についても反発しており、これは多くの人がうなずくところでしょう。そんなのクソゲーだろ、と言いたくなる文也の気持ちもよく分かります。
誤った目的のためにこの武器を使うのはいただけません
ただ、第3話の恋愛論同様、葵の発言は一面の真実を突いています。正しい意見を言っているはずなのにそれが通らなかった、という経験は誰しもが一度はぶつかったことがあるはず。多数決的な場面では、正しさより納得が優先され、かつそれが場の空気に合致しているかどうかが優先されるのは、否定し難い事実です。
そしてこのことを知らないと文也のように正しさを優先してしまい、結果提案が通らないと「なんで正しいことが通らないんだ」と非常に悔しい思いをしてしまいます。なので、このことは善悪を横に置き、頭に入れる必要がありそうです。
ただ、その目的には注意したいところ。葵はその後、自分の正しい提案を通すために間違ったルール(葵もここで「間違った」という言葉を使っているのは興味深いところ)を利用しろ、と言いました。つまり、ここでの目的は「自分が正しいと思う意見を通すこと」にあり、これであればいいと思います。
ですが、その目的が「その場を支配すること」そのものだとしたら?意見自体はどうでもいい、ということになってしまいます。グループで目立ちたいから、部活やサークルでリーダーになりたいから、会社で偉くなりたいから……突き詰めれば、立場や権力を得るがためにこの法則を使ってしまえば、それは単なる「扇動」に過ぎず、さすがに肯定できません。
「正しさより納得」。この真実が持つ威力は強力で、使い所を間違えれば自分も周りも不幸になってしまいます。
武器というのは、威力も反作用も正しく理解しなければそれに振り回されます。。最終的な目的が何なのか、自分がどうあるべきなのか、それをしっかり考えた上で、武器を装備したいものですね。
本当はここでさらに、「そもそも正しさとは何か?」という話もしたいところですが……さすがに長くなるので今回は割愛。そういったところも今後触れていければいいなと思っています。
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