「ゾンビランドサガ リベンジ」 9話 感想 ~ 佐賀復活の歴史はゆうぎりのおかげ?ガチな視聴に耐えうる神回!

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ゆうぎりのエピソードに入った本作の舞台は明治15年。約140年前、佐賀は長崎に合併されその名前を失っていました。その復活のため活動する百崎喜一、彼の友人?伊東正次郎、そして彼らを見守るゆうぎり。

明らかにきな臭い前回のラストシーンから、果たしてどんな展開を見せるのか?見ていきましょう!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会様公式HPより引用しています。

第9話、ストーリーまとめ!

ゆうぎり、喜一のために奔走!しかし最後は……

喜一ひとりが始めた佐賀独立運動は、仲間がだんだんと増えてきました。喜一はその勢いを駆って、嘆願書によって佐賀県復活を果たそうと考えます。しかし喜一の仲間たちは、そんな平和的な手段では世の中は動かないと考え、武装蜂起することを画策します。

それらの動きを把握していた政府のスパイ、正次郎。彼はゆうぎりに対して喜一と共に逃げるよう助言します。しかしゆうぎりはそれを拒否しました。ゆうぎりは喜一を信じ、彼の言う新しい佐賀を見てみたいと考えていたのです。

平和的に進めたい喜一の思いとは裏腹に、事態が進行……!
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そして雪の降る日に、事態は動き出します。喜一の仲間の強硬派たちが武装蜂起します。しかし先回りした正次郎がその全員を斬り、乱が発生することを未然に阻止しした。そして正次郎はさらに、喜一にも手をかけようとしました。

ですが!そこでゆうぎりが仕込み刀を持って加勢します。喜一を正次郎から逃がすと、佐賀から離れるよう指示します。この状況を予想していたゆうぎりは政府中央の高官らに手紙を送り、喜一を匿うよう根回ししていたのです。一度は絶望し諦めていた喜一でしたが、ゆうぎりの言葉に従って逃亡します。

そしてゆうぎりは、追ってきた正次郎と一騎打ちし、彼を斬りました。ですが彼女は、その後警察に捕らえられ、乱の首謀者として処刑されるのでした。

そして140年後。
ゆうぎりはゾンビではあるものの再び佐賀の地に立ち、彼の作った「新しい佐賀」で歌い、踊るのでした。

第9話はここで終わります

第9話、名ゼリフ・迷ゼリフ!

純粋な理想だけじゃ、世の中動きゃしないんだ(正次郎)

喜一の動きを監視していた正次郎ですが、いよいよ武装蜂起が近いと知って喜一に運動をやめるよう真剣に諭します。

政府のスパイとして、佐賀の乱の残党を監視していた正次郎。明治10年に西南戦争が起きた当時の日本では、変化した世の中に対応できず不満を持つ者たちが溢れており(正次郎は作中、彼らを「選べもしない輩」と切り捨てています)、内戦の火種は常にくすぶっていました。それを監視する彼の存在は非常にリアリティがあります。

正次郎の葛藤は、激動の時代を見事に表現しています。
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彼は現実主義で、喜一の考えを子供じみていると切り捨てています。ですが正次郎自身、政府側の人間でありながらも、成立したてで矛盾も多かった明治新新政府に対し反感も抱えており、喜一の言う「新しい世界」に共感もしていたのです。

彼の一連のセリフと立ち振舞いからは、現実と理想を巡って強い葛藤が伝わってきます。そしてそれは、激動の明治時代を見事に表現していました。とても見ごたえのあるキャラクターだったのは間違いないかと思います!

新しい佐賀、見せてくださんし(ゆうぎり)

仲間を討たれ、正次郎からも追われる喜一。しかしゆうぎりは事前に手はずを整えて、喜一を逃しました。絶望して動きを止めようとした彼の頬をはたき、生き延びて初志貫徹するよう叱咤するシーンの最後に出てきたのがこのセリフです。

彼女はこの後、喜一を追う正次郎を返り討ちにし、かつ、この一連の首謀者として処刑されることを選択しました。逃げようと思えば逃げる余地もあったし、自身の人脈をたどって処分を逃れることもできたでしょう。しかし誰かが責を負い、一連の騒動を落着させなければ佐賀独立運動は前に進まない……それを理解した上での選択だったのではと思います。

ゆうぎりは、喜一の理想である「誰もが自由に暮らせる世界」という考えに共感していました。ただそれ以上に、喜一のことを人間として、男性として強く思う気持ちが随所に見えましたし、そうでなければ自らの首と引き換えに彼の理想を生かそうとはしないはずです。

思えば、「伝説の花魁」として敬遠されていたゆうぎりに対し、喜一は一貫して1人の女性として接してきました。その真っ直ぐな気持ちがゆうぎりの心を動かし、そして佐賀の歴史を動かすことになったのかも……と考えると胸アツ過ぎます!

第9話考察:佐賀の歴史を作ったのゆうぎりだった説、爆誕

大隈重信らの名前が登場!説得力マシマシ!

いやいや……この回だけ見ると、佐賀の歴史作ったのってゆうぎりさんじゃないですか!!あらゆる意味で激アツ展開だった第9話。1つの物語としても素晴らしいものがありましたし、歴史考察を始めるときりがないほど深い設定もあるという、噛みごたえ満点の神回でした!!

特にゆうぎりが、喜一の逃亡を手配するため手紙を送るシーンに注目です。送り先は大隈重信、大木喬任、副島種臣でした。彼らは前回の記事で触れた「佐賀の七賢人」であり、政府に影響を与える実在の人物でした。今や歴史上の偉人となった彼らと、元花魁であるゆうぎりが顔見知りであり、その裏の人脈があったからこそ平和的な佐賀独立が成就した、という一連のストーリーは「これホントにあった話なんじゃない?」と思わせる説得力と物語性がありました!

彼女と偉人とのつながりが、佐賀の歴史を作ったか?
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また注目したいのは、ゆうぎり処刑後のテロップです。そこでは、明治16年8月4日に陸軍治罪法が制定され、軍人による一方的な処刑が禁止されたとあります。

現代ですと、犯罪を犯した者は裁判によって法律違反があったという証拠が確認されてから処分を受けます。これは冤罪を防止するため、刑事訴訟法という法律で厳格に手順が決められているためなのですが、それが制定される前であった当時は、軍人が「こいつ犯罪者」と認定した段階で処分(処刑)してしまうようなことがあったのです。

「新しい佐賀」で暮らすゆうぎりの心境は

このテロップをわざわざ入れたということは、もしかしたらゆうぎりの処刑を知った大隈らが激怒し、法律の制定を急がせた……という設定があるのかもしれません。前回の記事で触れた佐賀の乱の首謀者、江藤新平は日本の司法制度の基礎を作った人物であり、当時の司法界に彼の影響を受けた人物がいたかもしれないと考えると、この話も「もしかして」と強く思わせるものがあります。

もしそうだとしたらゆうぎりは佐賀の歴史だけでなく、今を生きるすべての日本人に影響を与えた人物ということになりますから、物語は一段と広がっていくことになりますね。

結果的にゾンビとして蘇り、喜一が取り戻した佐賀を実際に目にすることとなったゆうぎり。名前だけでなく、彼の考えていた「誰もが自由に暮らせる」という世界にも大きく近づきました。

彼女の目に、今の佐賀はどのように映るのでしょうか?
そんなことを考えるとまたいろいろなことが思い浮かぶ、素晴らしい第9話でした!!

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