「ラブライブ!スーパースター!!」 1話 感想 ~ 新シリーズは挫折からのスタート?かのん、歌と自分と向き合う!

©2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!

未だ2021年冬シーズンの評価が終わっていないのですが、とりあえず夏シーズンの作品も視聴開始します。取り上げるのはこの作品!ご存知大人気シリーズ、ラブライブの最新作です!

前作「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(以下、ニジガク)も全て視聴しましたが、とても見応えがありました。同時並行的にシリーズを展開するのはこれまでに例がありませんが、どんなキャラクター、ストーリーが見られるのか、期待して見たいと思います!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!様公式HPより引用しています。

第1話、ストーリーまとめ!

人前で歌えないかのんと、留学までしちゃった可可が出会う!

新設された結ヶ丘女子高等学校に入学した澁谷かのん。音楽が大好きな彼女はこの学校の音楽科を志望していましたが、昔から人前で歌えない悪癖が炸裂し受験に大失敗。挫折感を抱えながら、普通科に入学しました。

そこで出会ったのが、上海出身の唐可可(タン・クゥクゥ)でした。スクールアイドルがやりたくて留学してきた彼女は、とてもキレイな歌声を持つかのんに一目惚れし、一緒にスクールアイドルをやらないかと勧誘します。人前で歌えないのにアイドルなんて無理、とかのんは誘いを断りますが、可可のスクールアイドル結成には協力することを約束しました。

歌は大好き!だけど、人前で歌えないのでは……
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ということでメンバー勧誘……を始めますが、結ヶ丘独特の壁に阻まれます。普通科の生徒は音楽と距離を置いている。一方音楽科の生徒はスクールアイドルを低俗なものと見ているフシがあり、理事長の娘である葉月恋からこの学校にふさわしくないとまで言われる始末。

結局メンバーが集まらないままの2人。そこで可可は改めてかのんをメンバーとして誘いました。歌えない自分にもうがっかりしたくない……と再び断ったかのんですが、やはり歌が好きなんだと気づき、思いを全て乗せて歌を歌いました。

気づいたら通行人の前でも歌っていたかのん。人前で歌えた?!と新たな可能性を感じつつ、第1話は終了します。

第1話、名ゼリフ・迷ゼリフ!

好きなことを頑張ることに、おしまいなんてあるんですか?(可可)

本作は京極尚彦さんが監督、花田十輝さんが脚本という、ラブライブ第1弾を牽引したゴールデンコンビが制作しています。そのためか、いろいろなものが前作のニジガクよりも一歩踏み込んで強く伝わってくる印象がありました。

その第1話の中でも特にピックアップしたいのがこのセリフ。歌は大好きだけど、人前で歌えないかのんは「歌はおしまい」と考えていました。大好きな歌が人前でちゃんと歌えず、その結果憧れていた結ヶ丘の音楽科は落ちてしまった。まだ15歳のかのんが相当な挫折を抱えていることは間違いなく、歌をやめたいと思っても無理はありません。

可可だからこそ言える、気持ちのこもった一言でした!
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しかし可可はそんな彼女に、このセリフをぶつけました。スクールアイドルが大好きで留学までしてしまった可可。かのんの歌声に惚れ込んだ可可。だからこそ言えるこの一言。大好きなものをやめてしまうなんてもったいない、理解できない、諦めないでほしい……そんな思いが真っ直ぐに伝わる、とても印象的なセリフでした。

この直後に、おなじみのアイキャッチが入る演出もベストでしたね。可可同様に上海出身の声優、Liyuuさんの演技もナイス!です!

やっぱり私、歌が好きだ!(かのん)

前述の通り、本作の主人公であるかのんは大きな挫折を抱えて高校に進学してきました。こうした後ろ向きな気持ちを持ってのスタートは、これまでのラブライブシリーズの主人公にはあまり見られないものでした。

第1弾の主人公、穂乃果は明るく元気に仲間を引っ張っていく力を持っていました。サンシャインの千歌はさらにそれをパワーアップさせたようなキャラクターでした。

一方、ニジガクの歩夢は少しテイストが異なります。彼女は可愛らしいものが大好きなのに、高校生なんだから……と言いつつそれに興味がないふりをしていましたが、やっぱり可愛いものが好き!と気づくところから物語が始まっています。

これまでにない主人公、かのん。どんな物語を見せてくれるか?
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こうして見ると、かのんは歩夢に近いヒロインですね。ただ歩夢は別に挫折を抱えていたわけではなく、特段暗い感じもありません。一方のかのんは、前半は特に暗さが目立ちました。ここだけを見ると「らしくない」主人公にも見えます。

ですが、ラストシーンの歌唱は素晴らしいものがありました!可可を強い言葉で拒絶、してからの「やっぱり歌が好きだ」という宣言、そこからの力強い歌声と原宿・表参道の街をバックにして踊る姿はとても印象的でした。この感情の爆発力は、歴代主人公と比較しても類を見ないレベルかもしれません。

歌が好きなことに気づいたかのん。いつの間にか人前でも歌うことができました。さまざまな可能性を感じさせつつ第1話を閉じるこの構成、さすがだなぁと思うことしきりです!

第1話考察:目的となり得るまで進化したスクールアイドル

かつては廃校を救う手段でしたが、今はやること自体が目的に

始まりました、ラブライブ新章!
さまざまな注目点がある本作ですが、まずは少しマクロな視点で「スクールアイドルは手段?目的?」というテーマを取り上げます。

かつてのスクールアイドルは「手段」でした。第1弾の穂乃果は、廃校を阻止するためアピールの手段としてスクールアイドルを始めます。第2弾であるサンシャインの千歌も同様に、廃校阻止のためにスクールアイドルを始めていますが、一方でμ’sの成功を知っている千歌はスクールアイドルを通じて自分が輝きたいという思いも持っており、スクールアイドルをやること自体にも目的性を感じています。

スクールアイドルは海を超えてでもやりたい魅力的なものになりました
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これが第3弾であるニジガクになると大きく様相が変わります。歩夢たちは別段、スクールアイドルをすることで学校のために何かしたい訳ではありません。スクールアイドルが一般化した世界観で育った彼女たちは、スクールアイドルは何かを達成するための手段というより、やること自体に価値がある、目的になり得るものと認識しています。

本作もニジガクに近いスクールアイドル観を取っています。いやむしろ、目的性という意味では本作のほうが強烈かも。なにせ可可は、スクールアイドルをやるために留学しているのですから。国境を超えてまでやりたいほど、スクールアイドルは魅力があるものという世界観になっています。

スクールアイドルを知っている、からこそできるこの新章!

ここで重要なのは、スクールアイドルが手段から目的に変化する過程では、視聴者自身の認識の変化も必要としていることです。

第1弾は、スクールアイドルという概念自体がとても新鮮に受け止められました。学園ものの爽やかさとアイドルものの華やかさをミックスさせたスクールアイドルはアニメファンに大いに受け入れられ大ヒット。本シリーズのファンならずとも「スクールアイドルとはこういうもの」という認識が共有化されました。

本作の登場人物たちはその認識を共有化しており、それを前提として物語が進んでいます。仮に「スクールアイドルって何?」という状態だとしたら、この第1話は成り立たないでしょう。視聴者の持つ知識や世界観に合わせて作品の世界観も作られている点は注目するべきものがありますし、制作陣の上手さを強く感じます。

8年前には全く新しい概念だったスクールアイドル。今はその概念を自明のものとして使えるまでになりました。それほどにこのシリーズが積み重ねてきたものは大きいのだな、と改めて思います。

積み上げてきたスクールアイドルの世界観を、本作はどう広げてくれるのか?大注目していきたいと思います!

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