「映像研には手を出すな!」 1話 感想 ~ 背景画から作られる世界観は必見!

© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

本作の原作は小学館「月間!スピリッツ」で大童澄瞳先生作の連載マンガです。
スピリッツ系の作品というと、骨太で読み応えのあるマンガが多い印象があります。
そして本作のテーマはアニメ制作。これはアニメファン的には必見の作品でしょう!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 © 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会様公式HPより引用しています。

アニメが大好きなみどりとツバメ+お金が大好きなさやか 3人の出会い!

みどり、アニメーションと出会う

アバン部分は回想シーンから。
主人公の浅草みどりが川をまたぐ不思議な団地に引っ越すところから物語がスタートします。
子供心をくすぐるジャングルのような団地、これは冒険好きなみどりでなくても夢中になる場面です。

アニメーションに出会ってしまったみどり。好きなものに出会ったときってこんな感じですよね。
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ある嵐の日、みどりは留守番を言い渡され、アニメを見て過ごします。
そこで出てくるアニメが「未来少年コナン」的なアニメというのがまた憎い。
彼女は(子供の描写だと男の子みたいですが)この作品を通じて、冒険大好きな心をアニメーションへと投影させていきます。

アニ研の上映会に乱入してきた美少女は……?

シーン変わってある高校の屋上。
高校生になったみどりは、一心不乱に高校の風景をスケッチしています。
そこに現れるのが長身の金森さやか。インパクト絶大なビジュアルといい、みどりをいなしつつ手玉に取るようなやり取りといい、2人の関係がかなり面白そうな印象を受けます。

スケッチをしつつアニメを作りたいと言いつつも「きっかけ、環境が整わないと何もできない」とつぶやくみどり。感情移入できるセリフです。私もそんな感じなので……(笑)

すごいデコボココンビ、この組み合わせだけで期待が持てちゃいます。
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アニ研の上映会に参加する2人。
例のコナン的なアニメを見つつ、みどりの熱の入った解説が続きます。我々が普段何気なく見ているアニメの1シーン、1シーンがどんな意図で作られているか、作り手視点もバッチリ解説されるのが非常に興味深いところ
そんな上映会にに突如カリスマ読者モデルの美少女である水崎ツバメが乱入します。使用人から逃走するシーンもまた、アニメ的な面白さ満載のシーンでした。

親のせいでやりたいことができない……有名人の子も大変です。
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逃走を手伝ったみどりとさやかのせいでイチゴ牛乳を制服にこぼしてしまったツバメ。3人は制服を洗濯するためにコインランドリーに入ります。雑然とした町の中にひっそりとたたずむコインランドリー。入口に室外機があるのがまたインパクト大なデザインです。
みどりとツバメは、そこの休憩所でお互いの絵を見せ合います。

自分たちの作り上げた世界観へ!

設定画、背景画を書くのを得意とするみどり。
人物画を描くのを得意とするツバメ。
2人を混ぜ合わせてアニメを作らせようとするさやか。

ホントに女子高生?と思わせるさやかの迫力は、今後も物語を力強く進めていきそうな雰囲気です。
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みどりとツバメはそこで一心不乱に語り合い、作品を作り出します。
窓に差し込む太陽の光に2人の画を合わせてできる、即席のアニメシーン。
お互いのインスピレーションをぶつけ合って、どんどんと出来上がる世界観。

いつしか3人は、その世界観へと入り込んでいきます。

2人が生み出した不思議なトンボ型飛行機に乗って、追っ手から逃げ出す3人。
白黒の線画背景の中で飛び回る危なっかしいアナログなトンボ飛行機ですが、建物の隙間にツバメとさやかがぶら下がって縦に飛ぶという大技で3人は追っ手を振り切ります。

ツバメとさやかの自重でアクロバット飛行!ものすごい爽快感のあるシーンです。
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ビルの隙間から逃げ切った直後に現れる宇宙から地球を見るシーン……白黒の線画からビビッドな色づかいで描かれる惑星や彗星へのギャップが非常に鮮やかで印象的でした

すっかり話し込んでしまった3人。夜になってしまい、ツバメは慌てて帰ろうとします。
いきなり「駅までの競走でビリだった人はなにかおごってください」と賭けを提示し、フライング気味に走り出すさやか。慌てて付いて行くみどりとツバメ。青春です。これぞ青春です
でも、制服は?と思ったら、もぬけの殻になったコインランドリーが虚しく洗濯完了を告げるメッセージ……ここで第1話が終了します。

圧倒的な背景の映像美!キャラクターの化学反応にも注目だ

背景の書き込みがすごい!さすがはNHK!

アニメーション制作をテーマに、というと、まもなく劇場版が封切りとなる「SHIROBAKO」を思い出す人も多かったでしょう。
しかし本作はいろいろな意味で「SHIROBAKO」とは異なる作りになっています。

まず主人公のみどりが得意とするのが背景画というのがかなりの変化球です。
作中ツバメが話すように、アニメが好きでイラストを描くとなると人物画になりがち。本作は敢えてそこに背景画というテーマを持ってきました。
たしかに我々アニメファンは背景画のことをどうこうと語ることより、キャラクターやストーリーを語りがち。でもそれらを作り出す世界観を生んでいるのは間違いなく背景画であり、そこに着目したというのがすごいなと思います。目の付け所が違いますね!

この書き込み量!!背景にこれだけ力入れるとか、NHK半端ないって!
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

そして本作の背景画は、そんなみどりの抱える世界観をしっかり描写するような極めて作り込んだもの。これはNHKだからこそ為せる業ともいうべきかと思います。
HNKと言えば民放より豊富な番組制作費を持つことで知られています。本作の背景は全体的にものすごい書き込みで成り立っていますが、その辺りに制作費の活用が伺えます。

とがった個性の融合、面白い展開しか期待できない!

そして超のつくほど個性的なキャラクターたちにも注目!
オタクっぽさ全開のみどり、インパクト絶大なビジュアルかつ金にがめついさやか、見た目はかわいいツバメ。
それぞれ個性と技能がすごく尖ってますが、お互いに無いものを持っているともいえる3人。それぞれ個性が合わさることで、ものすごい化学反応を起こそうとしていることが第1話の時点で伺えます。

この3人がどんな作品を、世界を作り上げていくか期待大!
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

特にみどりやツバメはこれまでやりたくてもできないことがたくさんあり、葛藤を抱えていた中で、自分にないものを持った仲間を見つけました。彼女たちの心の動きや成長にも注目していきたいですね。

美しい背景、ビビッドな色使い、青春真っただ中なキャラクターたち。
第1話のつかみはベリーグッド!
今後の展開に期待しかありません!

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