「ID: INVADED イド:インヴェイデッド」 6話 感想 ~ 本堂町が名探偵に?複雑化する物語を整理

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第6話感想に入る前に反省文。
うーん、前回の私の記事、井波の感情に対する読みは外れていました。すみません。
これだからミステリーは難しくて、面白い……!

第6話はストーリーがさらに複雑化していく序章となりました。

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 ©ID:INVADED Society様公式HPより引用しています。

緊迫する現場!数田に襲われた本堂町は……!!

井波が実行犯!「姫」を守るために本堂町を襲う数田

井波に銃を向けた本堂町。そして井波は、本堂町に対し、自信満々に墓掘りとして犯した死体の写真を見せつけます。これで実行犯が数田、それを指示した主犯が井波と確定しました。この点については前回の私の考察に誤りがあったことになりますので、それは考察パートで記載します。

しかしそこに数田が介入!松岡に包丁を投げつけます。
彼は姿を隠しつつ井波を守ろうと自分の位置をアピールしますが、井波に対する本堂町のフェイクの銃声を聞き、彼女を救い出すために飛び出し、本堂町に躍りかかります!

それに対し本堂町は、拳銃で反撃!しかし撃った銃弾がまさか数田の頭の穴をすり抜けるのは想定の斜め上……!

弾が切れて組み伏せらそうになる本堂町。しかし彼の投げつけた包丁を手に反撃。数田はそこでこと切れます。最期に本堂町へキスしながら。

ここでワクムスビが反応!井波の殺意が検知されました。最初からこれを狙って数田を刺殺した?!ドヤ顔の本堂町。しかし一連の流れは、後の松岡の行動、発言につながっていきます

なおこのシーン、本堂町は躍りかかる数田に複数回発砲していますが、ことごとく外しています。本堂町は新人ですか、拳銃の訓練はしているはず。あんなに外すか?と最初は思いました。
一方拳銃の扱いはかなり難しい。多少研修を受けた程度の本堂町が、激しく動く相手を片手で撃ったとしたらあの状況で外す可能性はあり得るのかもしれません。

そして拳銃を撃った際の反動は相当に強いと聞きます。本堂町の体格では、片手で撃ったら狙いが外れるどころか、本堂町自身の肩が外れそうです

数田のイドの中で数田を見つめる井波。全ての犯罪は、ジョン・ウォーカーに変えられてしまった彼女を守るため……?
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数田のイドの中では、ジョン・ウォーカーに刺されながらも井波を見つめる数田の姿がありました。

井波は「怖いお化けから守るため、私は私は私じゃない人にされている」と言います。これも考察パートで検討しますが、この辺の発言や2人の態度に、井波と数田の関係性が見えてきます。

若鹿が爆弾発言。井戸端メンバーに、ジョン・ウォーカーがいる……?!

シーン変わって、殉職警官を弔う葬式に……やはり外務分析官の西村は、第5話の爆発の中で死亡してしまったようです。大変残念な展開です。

警察官は殉職すると、慣例により2階級昇進します。西村が巡査(巡査長)だったとしたら警部補、巡査部長だったとしたら警部となります。

殉職した警察官が2階級特進することは刑事ドラマなどを通じよく知られていますが、死んだ人の肩書が何になるのか?と思う方もいるでしょう。

名誉的なことを別にすると、答えは遺族年金です。残された家族には、その階級に従った(つまり割増された)死亡退職金や遺族年金が支払われます。2階級昇進は、主を失って悲しみ、収入が途絶えた家族に向けた、心情面と金銭面に対する、慶弔と保障という意味合いがあるのです。
こうした殉職時の2階級昇進は、消防や自衛隊でも実施されています。

井戸端メンバーの1人、国府。若鹿の爆弾発言をクールに受け止めていますが……?
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その葬儀の最中、ジョン・ウォーカーについて考察を巡らす井戸端メンバー。西村を失った悔しさを、真犯人逮捕によって晴らそうという決意の現れでしょう。

蔵が逮捕した連続殺人犯6人は、接点もない。精神科に通院した履歴もない。
しかしジョン・ウォーカーのイメージは、全員が共通している
6人は、ジョン・ウォーカーを実際に見ているか、ジョン・ウォーカーを装った誰かによって無意識に刷り込まれたか。

そこで若鹿が爆弾発言。ジョン・ウォーカーはミズハノメを利用している。他にミズハノメのような機械がないとしたら、今使用しているミズハノメを悪用している人物がいる……つまり井戸端の中にジョン・ウォーカーがいる、と言い出します。

さざ波が立つ井戸端メンバー。ミズハノメは謎が多いとはいえ、仲間を疑う発言にピリピリするのは当然です。

しかし蔵発足からは1年程度。富久田の最初の殺人(穴あけ)は3年前。プロトタイプに関わった人物にジョン・ウォーカーがいるのか?ぶつぶつと呟きつつも真実に辿り着こうとする若鹿。
一連のこの会話は、今後の展開を読む上で重要である可能性が高いです。

そしてこの葬儀の席で、松岡は局長の早瀬浦と室長の百貴に、提案をします。名探偵の候補がいると。

救いのない井波のイド。そして本堂町の抜擢

円環となった列車に乗る井波。彼女の想いは。

シーンが変わって、酒井戸が登場!
その後の話の流れから、これが井波のイドであることが分かります。

刺殺体のかえるちゃんを見つける酒井戸。そこで推理を開始します。電車の中の血の足跡をたどりますが、最後はかえるちゃんのところに戻ってくる……?

ここに中学時代の井波がいました。この電車は井波が通学に使っていたもの。データでは、井波はこの電車に乗って、その電車で母親は自殺した。

この電車は円で繋がっており、永遠に到着することがない円環になっている。出口のない感情の中に彼女がいることが分かります。井波はそんな電車に数田と乗っている……

円環の電車の中、酒井戸は井波に優しい言葉を向けます
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人が死ぬのを見るのは嫌い、と口にする彼女。十数年後に見せる、連続殺人を犯すサディズムとは程遠い。そこへ仕向けたのはやはり、ジョン・ウォーカーか。井波もジョン・ウォーカーのイメージを共有していました。

延々と回り続ける電車。捜査は終わっている。
井波のイドを調べ続ける理由はもうない。

しかし百貴は、これを見続けたいと呟きます。井波の救いようのない絶望と、唯一の心の支えである数田が乗り続ける、この電車を……

本堂街、名探偵に抜擢!しかし松岡の本心は……

夕暮れの蔵・局長室。
そこで本堂町は、早瀬浦局長から名探偵になるように命じれれます。卓越した推理力がその理由と言われた本堂町。ジョン・ウォーカー逮捕のために大役を任命され、張り切る本堂町!

しかしそれを推薦した松岡は、冷徹に「めでたい話じゃない」と言い切ります。彼は本堂町に名探偵として活躍できる素質があると予想しています。そして本堂町に「数田を刺したとき楽しかったか?」と聞き、本堂町を名探偵に推薦したのは「俺と他の同僚を守っただけだ」と言い放ちました

そしてラストシーン。
東郷は、富久田の家にあったカメラとマイクが過去の事件……秋人の家族を殺した「タイマン」の事件のものと一致したと報告し、百貴は衝撃を受けます。

第6話はここで終わりました。

複雑化する物語!注目ポイントを整理

井波と数田との関係について、改めて考察

話のスケールがアップしていく入口となった第6話でした。
しかしまず、前回の反省を込めつつ、井波七星の意識を再確認してみようと思います。

彼女は中学生時代に、母を自殺によって失っていました。彼女のイドは延々と回り続ける電車。その中で井波は「人が死ぬのを見るのは好きじゃない」と言っています。つまり母が自殺するまで、彼女にサディズム的な傾向はなかった、または芽を出す要素がなかった。

しかし彼女は見てしまった。母親の死を。母は井波を迎えに行ったと彼女に伝えています。つまり知っていてその電車に飛び込んだ。
そうしたことが、井波に深い傷跡を負わせ、犯罪者としての素質を植え付けたのだと思います。

そして前回、私は「井波は罪に問われないから堂々としている」と書きました。これは誤った見解でした(反省)

彼女は第6話冒頭、自分が犯人の証拠となる墓掘りの被害者たちの写真を見せています。つまり本堂町たちが来訪した時点で、逮捕されることを覚悟していた可能性が高い。

そして彼女自身は、銃を向けられても動じることがなかった。
前述の「死ぬ姿を見るのが嫌」という発言と重ねて素直に読むならば、「自分を止めて欲しい」と思っていると取れます。

こうした警察に自分を止めて欲しいと望む殺人犯は、ミステリー作品にはよく見られる犯人像です。

強く、悲しく結びついていた井波と数田

井波と数田の関係は結局どうだったのか?
ここは考察の余地が広がるところです。

井波は数田が本堂町に刺されたとき強いリアクションを取っています。そしてそれ以上に、数田が本堂町にキス(これは彼にとっての殺人行為ですが)をしたとき、殺意を抱くほどに動揺した姿を見せていました

以上から、形として恋人同士だったわけではないものの、強い結びつきがあったのは明らかです。曖昧であったものの(特に井波の中では)、形とした恋人同士よりもはるかに強いものだった。

とはいえ2人の関係性は、それぞれのイドを見る限り、若干の齟齬があります。このような強い結びつきを恋愛という形にするのは、井波のプライドに反する(本堂町のプライド発言は、そこから来ていると私は解釈しました)。だから恋人ではなく、数田を従えるような形こそが、井波の意に沿う2人の関係だったのかもしれません。数田はそれに従ったのではないでしょうか。

井波の表情は1カットごとに解釈の余地があり、非常に見ごたえのあるキャラクターでした。難しい役を演じた佐倉綾音さんに拍手!
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(少なくとも)数田の視点では、井波はジョン・ウォーカーによって人格を変えられたと認識しています。だから数田は、強く想う彼女もろとも罪を被るため、彼女の共犯となって自らが殺人を犯した……

そうだとしたら悲しい結びつきだったとも言えますし、そう仕向けたジョン・ウォーカーに対する憎しみが湧く理由になります。

なおファン贔屓で恐縮ですが、井波を役を演じたのは佐倉綾音さん。
普段は明るい女の子や少年を演じることが多い彼女ですが、近頃はこういう難しい役を演じることも

難しい役を任されることがキャリアが認められている証拠だとしたら、ファンとしては嬉しい限りです!

本堂町は快楽で人を殺す?

物語では、本堂町が名探偵として推薦される展開になりました。
ここでは、そこに至った松岡の思考を考えてみたいと思います。

彼は本堂町に対し「俺とその同僚を守るため」に名探偵に推挙したと発言しています。

新人の本堂町と行動を共にするようになってから、1年ほどの松岡。
しかし大野源平、井波七星の事件で、本堂町が特異的な力、そして感情を見せたことから、本堂町に対して危機感、嫌悪感を持った

ずば抜けた推理力を見せてきた本堂町。しかしもしかしたら、彼女は快楽殺人者……?
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名探偵がイドの中で活躍できるかどうか、そこに必要とされる素質は、蔵の構成員にとっても不明だと思われます。
しかし松岡はそれに対し1つの仮説を持っている。それは「殺人を楽しめること」

ここで出てくるのが、秋人と富久田です。

秋人は酒井戸として名探偵として活躍している。しかし富久田は名探偵として失格だった。
富久田が殺人を犯した理由は、頭に穴を開けることでした。しかし彼の目的は頭に穴をあけること自体にありました。それは富久田が、頭に穴が空いた後のことにこだわりを持っていることから理解できます。

つまり富久田は殺人自体には興味がなく、故に殺人行為に快楽を見出していない。

秋人について、松岡しか知らない事実があるのでは

では秋人は?ここは明らかになっていませんので多分に予測を含みますが、松岡は秋人が、ただ家族の復讐のために殺人を犯したわけではない何かを知っているのかもしれません。その復讐の際に、秋人が殺人自体を快楽と捉えている何かを。

その根拠として、第3話冒頭、松岡が秋人を嫌悪している様子が示されました。松岡は同じ嫌悪を、本堂町に抱いているのだと思います。

本堂町の知られざる1面を見抜いた松岡。秋人についても彼しか知らないことがあるのでは?
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さらに松岡は本堂町に対し、「俺とその同僚を守った」とも発言しています。これは秋人が、復讐の際に同僚に対し、何か危害を加えたのでは?と推察される発言です。

そしてそのことは、松岡しか知らない可能性があります。なぜなら井戸端のスタッフは、富久田と秋人では名探偵になった際のやる気が違うと態度や言葉で示しています。つまり秋人に同情的で、松岡が秋人に見せる嫌悪感のようなものが見えないのです。

秋人と連続殺人鬼、タイマンの間に何があったのか……
新たな今後の注目ポイントの1つになりました。

松岡の発言を受けて、本堂町はショックを受けています
それは彼の発言自体がショックだったのか。それとも、彼の言う通り、数田を刺し殺した際に、自分自身知らなかった快楽的な感情があったと気づいてしまったのか?

魅力的なキャラクターの1人だった本堂町ですが、今後はそうした複雑な感情も見どころになりました。

ジョン・ウォーカーは蔵の高官?

葬儀のシーンで若鹿の発言した、蔵のメンバーがジョン・ウォーカーである点は、現時点で不明なことが多いので言及を避けます。

ただ若鹿の発言通り、ジョン・ウォーカーは蔵創設よりも前、ミズハノメのプロトタイプができた時点から存在しているとしたら、蔵の高官である早瀬浦や百貴がターゲットになってくる……?
さらに言えば、若鹿は「蔵」ではなく「井戸端」と口にしています。となると……?

仲間の1人が実は殺人鬼だった、みたいな設定はこれまたミステリーによくある設定です。ここも今後、注目するべきポイントになるでしょう。

ますます注目点が増えて複雑化する本作。
ここでは今後もそれを整理しつつ、楽しんでいきたいと思います。

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