「ランウェイで笑って」 1話 感想 ~ 真逆な性格の主人公たちが奏でるハーモニー!

©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会

本作の原作は、講談社「週刊少年マガジン」で猪ノ谷言葉先生が連載しているマンガです。
マガジンはここのところアニメ化に積極的な印象ですね。そしてマガジンと言えば、主人公が泥くさく這い上がっていくような作品が売りでもあります。
結論から言います、本作もそんな魅力がバンバンに詰まってます!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 ©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会様公式HPより引用しています。

パリコレの舞台に立つ!しかし厳しい現実……からの大逆転!

将来を期待された。10歳までは……

アバンはダブル主人公、藤戸千雪が10歳の話からスタートします。
10歳にして158センチという身長の千雪。父の研二はモデル事務所の社長、そこに所属する成岡雫はパリコレに参加した伝説のモデル。恵まれた身体能力と環境。周囲は千雪が今後さらに身長が伸びてすごいモデルになるだろうと期待し、本人もその夢が叶うと信じて疑っていません。

パリコレの舞台に立つことを信じて疑わない千雪。この時は夢いっぱいでしたが……
©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会

しかし現実は残酷で……彼女はそこから8年、身長が伸びることはありませんでした。身長が命のモデル業界でこれは致命的。そんな彼女に対する周囲の期待は冷え込んでいくのに、しかし本人だけはパリコレのことを諦めません。父のモデル事務所のオーディションにも、何度無理だと言われても参加しています。ここまで来ると痛い子ですらあります

「無理」なんて言葉、そんなもの千雪の辞書にはない!

そんな彼女は、クラスメイトの都村育人と出会います。とにかく地味な彼。しかも、もやし弁当を持参するほど経済的に困窮していると噂もされています。最初は彼に対し全く関心がなかった千雪ですが、彼が手芸部で1人洋服のデザインをしていると知り、興味を持ちます。

育人の夢はファッションデザイナー。本当は進学してデザインを学びたい。しかし妹たちのことを思ってその夢は諦め、高校卒業後は就職しようとしています。
しかしデザイン業界で高卒という学歴は、現代ではかなり難しいと知っている千雪。だから彼に「無理なんじゃないの?」とサラッと言ってしまいます。経済的に云々、などと相当失礼なことまで。千雪がお嬢様で天然なのは分かりますが……割と、いや相当ひどいこと言ってます。しかも自分のことを棚に上げて

育人には優秀な3人の妹が。彼女たちを支えるために自分を犠牲にしようとしていましたが……
©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会

ですが彼女は気づきます。無理という言葉は自分が散々言われてきた言葉。でも自分は諦めていない……と。それに気づいた千雪は、大手の芸能事務所に合格しつつも、やはり父の事務所からパリコレを目指すことを再決心し、自分の服を育人に預け、リメイクを依頼します。

2人の人生大逆転?!無理と思われた夢を目指す物語

そして千雪は、育人のデザインした服で雫を納得させます。パリコレを経験した雫が、育人の服をまとった千雪を見て一瞬パリコレをイメージしてしまうほどの華やかな何かを千雪に見てしまった……

夢を絶対に諦めない千雪。育人の服で1%の可能性を掴み取る!
©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会

そしてここから、全てが回り始めます。雑誌の街角スナップでその服が紹介されるや、人気モデル・セイラがTwitter的なものでつぶやくとあっという間に話題殺到。千雪の妙な見栄のせいで、育人のデザインした服は研二の会社のブランドという話になってしまいましたが、それをきっかけに研二は育人の才能を見抜き、彼をデザイナーとしてスカウト。さらにいきなり企画を任せるという展開に。彼らの諦めていた夢への入口が開けていくのです。

158センチしか身長がないのにトップモデルを目指そうという千雪。
経済的理由から進学できないのにトップデザイナーを夢見る育人。

この物語は、2人が無理と言われたところから這い上がり、夢に向かっていくストーリーなのです。

千雪と育人……性格は真逆、だからこそ輝くコンビ!

マガジンお得意のストーリーを一気に楽しめる!

とにかく、個性的なキャラクターから目が離せない作品と言えます!
まずは千雪。よく言えば天然です。正直で、自分の可能性を1ミリも諦めていない前向きな子です。しかし悪く言えば……アホです(爆)口が悪いし、前向き過ぎて現実が見えていない。「身長が全て」というモデル業界で、常識的に考えれば158センチ(ちなみにこれは日本の成人女性の平均身長です)の子が活躍できる訳がないのです。きっと育人に出会わなければ、ただひたすら雫からモデルは無理だと言われるだけの人生を送っていたでしょう。

一方の育人。彼はとにかく献身的な人物です。誰かに喜んでもらえることのために頑張る彼は、人間として非常に魅力的。しかし自分の夢よりも、他者を優先してしまうところも。彼もまた、千雪に出会わなければそのまま就職し、夢を叶えることもできずに暮らしていくことになったでしょう。

エリートと雑草。2人が組み合わされば最強かも!
©猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会

しかし2人は出会ってしまった。
全く性格が真逆の2人。バカみたいに前向きな千雪と、必要以上に消去的な育人。自分に過剰に自信を持っている千雪と、謙遜しすぎて卑屈になっている育人。このように著しい欠点を持っている2人ですが、2人が組み合わされば、お互いの欠点を補う無敵のコンビになれるのです!

挫折を抱えたエリートに無名の雑草……これまで幾度もマガジンが描いてきた主人公像です。ある作品ではそのエリートが再び輝きを取り戻し、またある作品ではその雑草が根性で大舞台に這い上がっていく。マガジンはそんな作品を何十年もリリースし、そのたび人気を得てきました。それが本作では両方のストーリーを一気に楽しめる。一口で2度美味しい!そんな作品ではないかと期待できます!

知っているようで知らないモデル業界。その裏舞台にも期待

またマガジンというか講談社のマンガは、「業界もの」を描くことにも長けていると思います。誰もが存在を知っているけど詳しくは知らない……そんな業界のリアルな裏話や難しさ、面白さをうまく題材としてきました。

例えば2017年にアニメ化された、月間少年マガジンで連載中の「ボールルームへようこそ」。この作品は社交ダンスをテーマにしています。社交ダンスは知らない人からすると一見華やかに見えますが、「ボールルームへようこそ」ではその裏に過酷な練習があり、激しい競争があり、だからこそ得られる特別な充実感があることを描いていました。

華やかな世界ほど裏では苦しいことも……しかしだからこその充実感も!「ボールルームへようこそ」は名作でした。
©竹内友・講談社/小笠原ダンススタジオ
公式HPより引用

本作のテーマはモデル業界。モデルという華やかな職業があることは誰もが知っていますが、そのリアルを知っている人はほとんどいないでしょう。本作ではそんなモデル業界の裏舞台を見ることができそうです。

千雪と育人は、ハンディを抱えつつファッションモデル業界に果敢にトライしようとしています。
きっと苦しいこともあるでしょう。

しかしそこを乗り越えた時、彼らは他人には見えない世界を見ることができるはず。そんな爽快感あふれる展開に期待したいですね!

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