「7SEEDS」 7話 感想 ~ もう1つの生き残りプロジェクト、龍宮!しかしそこには絶望と汚染が……

©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

大量の灰が降り積もり、厳しさを増す大地。
花たちは嵐を探し、ある施設へたどり着きます。
そこが絶望を封鎖した場所だとも知らずに……!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project様公式HPより引用しています。

秋チームの罠!その奥で花たちが見たものは

秋チーム、分裂していた

船「象とライオン丸」を手に入れたナツたち。九州に戻り、牡丹たちと合流しようとします。
とはいえ、牡丹たちは九州をもう放棄しているのですけどね……

一方の花たち。ひどい灰の中、足跡を元に地下施設にたどり着きます
そこには秋チームがいました。が、例の蘭、秋ヲ、そして朔也とは別行動を取っていました。

分裂した秋チームのリーダー?荻原流星。蘭たちの恐怖支配の影響か、人を信じることができません。
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

その理由は、メンバーの1人である鹿野くるみが妊娠したこと。父が誰なのか気になりますが……

蘭たちは子供は産まない、産ませないというルールを敷いていました。もしかしたらくるみを殺そうとしたのかもしれません。ただ体力だけなら他のメンバーも秀でていますから、抵抗したのではないかと思われます。かなりの混乱の末の分裂なのは間違いないでしょう。

嵐たちが秋チームと遭遇していたものの、すぐに別れたと知った花。ここを発って再び探しに行こうとします。
が、日も暮れるから一泊したらどうかという申し出を受け、泊まることに。外は灰だらけの世界。妥当な判断ではありましたが……。

シェルターの奥には、電気?!地下農場?!

実はそれは罠でした。秋チームはハルを拉致し、花たちに、彼を助けたければ地下水路をボートで探索しろと取引を持ちかけます。秋チーム、蘭たちの暴力的な支配に人の心を忘れたか……卑怯な交渉方法に怒る花。呆れる鷹弘

一方、拉致されたはハルは不穏な音を聞きつけます。モーター音が鳴っていると。この世界に、モーター……?

花と鷹弘、そして良夜は水路をボートで探索することに。
が、すぐに謎のロープが!それは蘭たちが仕掛けたものでした。彼女らはボートを奪い、水路を進みます。物資があるなら全部自分のものにしてやろうと平気で言い放つ彼女。相変わらず外道な連中です。

秋チームの罠にハマり激怒する花、そして呆れたように怒る鷹弘。こういう怒り方をする人って怖いんですよね。
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

蘭たち、そして花たちは別ルートで水路の先を進みます。そこには地下鉄の線路、動かない巨大プロペラ、そして植物工場が?!なんと、そこには巨大な地下施設があったのです。電力も稼働していました。

良夜は言いました。7SEEDSプロジェクトは最終手段であり、他にも人類を残そうとした計画があったと

そして彼女たちは知ることになります。
あるミイラ化した死体の傍にあった日記から、この施設の目的と、悲劇的な最後を――

生き残りを賭けた龍宮プロジェクト!しかしその結果は……

テーマパークは、生き残るための地下施設?!

まだ地上が平穏だった頃。
腹話術を得意とする芸人、茨木真亜久はある日、黒服の男に声をかけられます。ウソはつけるか、最後の最後まで芸はできるか?と彼に聞かれた真亜久は、笑顔で「もちろんです!」と即答します。単に仕事が欲しくてそう答えただけだったはず。それがまさか、地獄の見届人になるとは……。

大阪と京都の中間点(大阪府高槻市あたり?)に来るよう指定された真亜久。なんとそこには、人気歌手の神酒マリアがいました。テーマパークのオープニングイベントの仕事だと聞かされていた2人。地下鉄で龍宮と呼ばれるパークへと向かいます。

龍宮はとてもカラフルで、娯楽がいっぱい。皆が笑顔で溢れています。
そこで真亜久は、野球選手やDJに漫画家、映像のプロといった仕事のスタッフたちと出会います。彼らは笑顔で来場者たちをもてなし、楽しそうな姿を見せています。

ですが、そこは単なるテーマパークではありませんでした
異常気象から人類を保護し、生き延びようとするための施設だったのです。
すぐに地上に隕石が降り注ぎ、それをテレビ中継で見ることになった真亜久たち。動揺し、家に帰せと口々に叫びます。

一時はうまくいったように見えた龍宮だったが……

しかしその混乱を収めたのは、マリアの歌声でした。あまりにも美しい彼女の歌は、来場者……いや、生き残りのために選ばれた面々の心を癒やしたのです。真亜久や(おそらく他のプロたちも)、人々の心を癒そうと懸命に振る舞います

龍宮は相当周到に用意されていたのでしょう。地下施設の中で人々には仕事が割り振られました。人間、役割が与えられると希望が持てるもの。もちろん地上が壊滅した不安はあったでしょうが、徐々に龍宮は町、いや国家のような様相を見せてきます。

長い期間ではなかったのでしょうが、龍宮は生き残りに成功したように見えました

美しい美貌と歌声を持つマリア。最後の最後まで、人々を魅了しました。
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

真亜久をスカウトした、貴士と名乗る男は、家族の写真を見た真亜久に言います。「神の国に至る門は狭く、2人並んでは通れない」、だから娘は龍宮ではない別の場所にいる、と。

なお「狭き門」という言葉は、キリスト教の教えの1つで、本来は「怠惰に生きるのは楽だが地獄が待っている。キリストの教えに従って生きるのは厳しいが天国が待っている」という意味で使われます。が、2人、というフレーズはありません。これはこの作品オリジナルの味付けです。

まもなく、その「2人並んでは通れない」の意味が明かされます。
ある日、事故によって龍宮の倉庫が海水に浸かることに。貴士の妻はそこで溺死しました。貴士は、神の国の門を愛する妻と2人で通ることはできなかったのです。

事故で食料が不足した龍宮。半数は伊勢シェルターに向かうように指示されます。しかし伊勢にはシェルターなどない、あれは合成の映像だと知る真亜久

それを知られた貴士は、真亜久を伊勢に連れていきます。伊勢にはきっと楽しいことがある、と人々を笑わせながら。

行き先は地獄!それでも人々を笑わせる真亜久

しかしそこで真亜久は地獄を見ます。伊勢に到着した人々は電車の中で眠らされ、服を剥ぎ取られた上で、巨大なスクリューでミンチにされて飼料となっていたのです……!貴士に向かって「人の生き死にを選ぶ権利があるのか……!」と慟哭する真亜久

しかし貴士は冷静でした。真亜久に対し、最後の最後までウソがつけるよな、と言うのです。

貴士も覚悟はありました。このまま地下にずっといることはできない。いずれ自分たちも犠牲になる。だがそこまでは、残された人々をなんとしてでも生き延びさせようと。

その迫力が伝わったのでしょうか?それとも絶望したのか?真亜久は伊勢に来た人達を最後に笑わせる仕事に協力します。目の前で何百もの人が挽き殺されていく姿を見ながら……

あまりにも厳しい心理状態だっただろう真亜久を救ったのはマリアでした。プロとして、貴士の言う最後の最後まで仕事をしよう、と。真亜久は彼女の言葉に救われます。

しかし追い打ちをかけるように、龍宮に悲劇が襲います。龍宮にはダニXと名付けられた感染症が広まり、家畜が全滅。しかもそれは人間も感染する病気だったのです。黒い血を流し、続々と人が死んでいきます。そしてそれは、マリアにも……!

その状況を見た貴士は、真亜久に指示を与えます。ダニXを地上に蔓延させないため、この施設を封鎖しろと

貴士は逃げた大臣を追うと言いました。やつれた姿の貴士。彼は有能で責任感もあります。相当に働いたのでしょう。

そして彼はマリアの様子がおかしいと言います。
その予言は的中していました。マリアは、ダニXに感染していたのです

追い詰められる真亜久、そしてマリア。この絶望的な状況の中、2人は心と体を交わすことに。
マリアが感染していると知っても1つになることを選んだ真亜久。彼はマリアの言う「龍宮を終わらせる」計画に乗ることを決意します

愛する人の姿を見送り、真亜久は苦しみから旅立つ

クリスマスの日でしょう。
白く美しいドレスを身にまとったマリアは、歌いながら道を歩きます。そこに引き寄せられるように集まってくる感染者たち。マリアは彼らの前を歩き、導き、最後に冷凍庫の中へ全員を集めました。そしてマリアと視線を交わしあった真亜久は、冷凍庫の扉を閉じます

「神の国に至る門は狭く、2人並んでは通れない」
真亜久はマリアと共に歩むことはできませんでした。
施設を厳重に封印した真亜久もほどなくして服毒し、帰らぬ人となったのです

一体それからどれぐらいの時間が経ったことでしょう。
彼の日記を見て涙する花。
そしてそこに、写真があることを発見します
貴士と、その妻の間には娘が1人。そう、それは花でした。つまり貴士は、花の父親……?!

冷凍庫には、美しい姿のまま凍ったマリアや住人たちがいました。気味が悪い、と吐き捨てる蘭。

ですが日記を読んだ良夜は叫びます。ここは病原菌に汚染されている、すぐに閉めろ!と。良夜を見下してきた蘭たちですが、その迫力は認めざるを得ませんでした。

全てを知った秋チームのメンバーと花、ハル、鷹弘は地下シェルターを放棄します。
が、そこに現れたのは覆面の7人……。
秋チームが冷凍庫を開けたと知った1人は、拳銃を抜いて良夜を銃撃!灰の上に倒れ込み、事切れる良夜。それを見て、唖然とする秋チームの面々、そして花……!

衝撃の連続だった第7話はここで幕を閉じました。

もう1つの人類救済プロジェクト!しかし結果は悲劇に……

現在の状況と被って背筋が凍る、ダニX

キャラクターリストにあった謎のチーム「龍宮」
私は基本、ネタバレしないよう最低限のところしか見ていませんでしたが、今日初めて龍宮のページを開くことになりました。

龍宮は、7SEEDSプロジェクトとは別の、人類生き残りを賭けたプロジェクトでした

緻密に計算された地下施設に、数千人、数万人の人を残す。その人間が地下施設で国を作り、それぞれが仕事を持って生活する

真亜久やマリアはその中でも特に選ばれたメンバーでした。集団生活は実益だけでは生き残れない。夢や希望を持つために芸術も必要である……
これ、ハルやちまきが選ばれた理由に共通しますね。作者の田村由美先生の理念なのかもしれません。

絶望の中でも自分の役割を全うしようとした真亜久。伊勢で人々を騙した行動は賛否あるかもしれませんが、龍宮が極限状態にあることは彼も理解していたはず。単純に責めることはできないように思います。
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

ただ、それでも龍宮プロジェクトは失敗した。大きなつまづきは天災。地下の倉庫が海水に浸かり、全滅。貴士の妻はここで亡くなりました。その結果資源が大幅に減り、龍宮の住人の半分近くが騙され、眠らされた上でミンチにされ、飼料となりました。これはマジで酷いシーン……本作かなりキツいシーンも多かったですが、半分の第7話で過去最高の酷さです

そして残った人間をも襲ったのが恐怖の病原菌、ダニX。家畜がやられ、人々が謎の出血をして死ぬ……
この記事を書いているのが2020年3月3日。日本を、全世界を不安に陥れているコロナウイルスの脅威が今まさに拡大している最中です。いやはや、スタッフもそこまで考えたとは思えないけど……ぴったり状況が一致してしまっている。これはなんという偶然か?それとも不幸か?

ダニXの汚染が広がり、もはや後がないと知った龍宮の幹部は、せめてダニXを封鎖し広げないという選択肢を取りました。愛するマリアを生きたまま冷凍庫に封印した真亜久。その直後に、毒薬を口にし後を追います。その絶望たるや、どれほどのものだったのでしょう。考えるだけで暗い気持ちになります。

これほどに計算され、各人が努力したにもかかわらず生き延びることができなかった龍宮のメンバー。この世界で生き延びることの難しさを、強烈に視聴者へ植え付けたエピソードになりました。

謎の集団は、夏Aチーム?

ダニXを封じていた冷凍庫を開放してしまった蘭たち。そこに現れたのは謎の覆面集団でした。

彼らはダニXの脅威を知っており、冷凍庫の開放を知って、ダニXを封じ込めるために秋チームを銃撃。良夜はその銃弾に倒れました。やっとちょっといいところを見せたと思ったらこの展開ですよ……なんと重苦しい。

画像を確認すると、謎の覆面集団は7人いました。そして、銃を持っている。

これは、第1話のラストシーンにつながるものがあります。第1話のラストでは、コールドスリープから起きた直後と思われるメンバーたちが、一斉にだれか1人を銃撃している。仮にどこかのチームだとしたら、8人から1人が射殺されて7人になっているはず。この集団は、おそらく第1話のラストシーンのメンバーでしょう。

第1話のラストシーンで、コールドスリープからの蘇生直後に誰かを銃撃していた一団。彼らが夏Aチームで、良夜を銃殺したのか?
©2019 田村由美・小学館/7SEEDS Project

そしてそれは、消去法で夏Aチームであると予想されます
日本には、分かっている限り5つのチームがある。春夏B秋冬は消息がわかっている。となると、覆面集団は夏Aチーム、ということになります。

詳細は次回明かされることになるでしょうが、とにかく気になるのは第1話の銃撃シーンは何だったのか?誰を銃撃したのか?ということ。これまでの経緯的に、高慢なガイド役が狙われる可能性は高い感じがしますが……

また、夏Aチームだったとして、彼らがどれぐらい前からこの世界にいるかも気になります
分かっている範囲で、一番最近目覚めたのは夏Bチーム。春チームは彼らより2週間程度前と思われるので、ほぼ同タイミング。秋チームは彼らよりも3年早く、冬チームに至っては夏Bチームから15年も前に目覚めています。

夏Bチームがどのタイミングで目覚めたのか、どんな経緯をたどってここまで生き延びたのか?大変気になるところです。どうやらダニXの脅威を知っているようですが……ここまでなにかあったのか?

しかし改めて思うのは、こんな過酷な環境で15年も、ソロで生き延びた鷹弘はすごいですねぇ……。

Youtubeより、Silent Night。
本作、クラシカルな音楽をここ一番で非常に印象的に使う演出が光ります。

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