「IDOLY PRIDE」 1話 感想 ~ トップアイドルに駆け上がった麻奈、まさかの……?!初回から花田十輝節全開!

© 2019 Project IDOLY PRIDE/星見プロダクション

2021年第2弾は、「IDOLY PRIDE」です。アイドルもの作品といえば数多ありますが、そうした中で本作がどういう位置づけを獲得できるのか、それともできないのか?そうした視点からも見ていきたいと思います。

また本作の脚本は花田十輝氏。名作(ある意味迷作?)の「ラブライブ!」など、様々な作品を手掛けてきた氏の脚本は、ときに称賛が、ときに批判の嵐がつきまといます。

とはいえ、アニメファンの耳目をこれほど集める作家もそうはいないのもまた事実。私も花田作品ファンとして、他作品と比較しつつ考察できればと思います。

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、© 2019 Project IDOLY PRIDE/星見プロダクション様公式HPより引用しています。

隣の席の子がトップアイドルに!しかし、終わりは突然に……

第1話のストーリーまとめ!

牧野航平は5年前、長瀬麻奈というクラスメイトと出会います。席が隣というだけの間柄だったはずなのに、ある日彼は麻奈から、アイドルにスカウトされたけどどうすればいいか、という相談を受けました。

そして、あれよあれよという間に、芸能事務所の星見プロダクションにアルバイトとして採用される航平。それもそのはず、麻奈はアイドルとして所属する条件として、航平をマネージャーにすることを要求していたのです。

そこから麻奈はメキメキと頭角を現します。勢い十分の麻奈と航平は、トップアイドルを目指すべく、ネクストビーナスグランプリという大会にエントリー。そこでも勝ち上がっていき、とうとう麻奈はファイナリストに。

しかし、麻奈のアイドルとしての物語はそこで終わってしまいます。決勝当日に交通事故に遭い、命を落としてしまうのです

自らをこの世界に引き上げてくれた麻奈のことが忘れられない航平。しかしそこには奇跡?ドッキリ?が待っていました。なんと幽霊となった麻奈が、彼の前に姿を表したのです

そして現在、彼の務める星見プロダクションの元に、新たなアイドル候補生がやってくる――

第1話はここで終わります。

注目したくなる、航平と麻奈の関係性

第1話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

だから、なんで俺?(航平)

アイドルにスカウトされ、その話に乗るかどうか悩んでいた麻奈。彼女は航平にそのことを相談しますが、麻奈と航平はこの段階で、クラスメイトで席が隣というだけであり、ほとんど関係性がありません。

そんな状態でこんな重大な相談を持ちかけられたら、誰しも航平同様「なんで俺?」と聞きたくなるのは当然でしょう。

航平と麻奈、2人の関係に要注目!
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麻奈はそれに対し、「席が隣で話しやすかったから」と言いました。しかし返答直前の麻奈の返答や、航平をマネージャーとすることを所属の条件とするなど、とてもそれだけの理由であるとは思えません。

麻奈はこの質問に真に回答することなくこの世を去りました……が、幽霊として復活します。2人の関係はまだまだ続くと考えると、この質問の本当の答えは、作品の方向性を大きく左右するものになる、かもしれません。

それが力になる、なんてこともあるかもしれないよ(麻奈)

ネクストビーナスグランプリのステージに上る麻奈を送り出す直前、航平は「自分はここ(舞台袖)で見ていることしかできない」と呟きます。それに対し、麻奈はこのセリフを言いました。

麻奈はこのセリフの前のシーンで、航平のことをからかうようにしています。しかしこのセリフの直前には、何かをちょっと言いたそうにする表情も見せました。最初のセリフも含めて、麻奈が航平に特別な思いを抱いていることは間違いないでしょう。

麻奈は航平をどう思っているのか?やはりここが本作を見る上での大きなポイントになることが改めて表現されたシーンだったと言えるでしょう。

なんだ、やっぱりドッキリか(航平)

麻奈の事故死を、まだ飲み込みきれない航平。彼はこれが芸能界にありがちな、ドッキリではないかと勘ぐっています。いや、そう思いたいという彼の願望でしょう。それでもいいから麻奈に生きていて欲しい……彼は心からそう思っているのです。

そんな彼の前に、麻奈は現れました。通常であれば取り乱したり、感涙を流したりという姿があるのかもしれません。しかし麻奈を見た航平は、静かにこのセリフを呟き、小さな笑みを浮かべるのでした。

何度も奇跡を起こしてきた麻奈、幽霊になるのも想定内?!
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そもそも、麻奈は航平に何度も驚きを与えてきました。ほとんど関係がない中でマネージャーに指名したこと、スターへの道を駆け上がっていったこと、グランプリでファイナリストに選ばれたこと……

普通の高校生だったはずの航平は、麻奈を通じて何度も奇跡を見てきました。そんな彼にとって、麻奈が幽霊となって復活するというのもまた、「麻奈ならやってくれる、奇跡を起こしてくれる」という期待通りの結果、なのかもしれません。このセリフはそんな航平の麻奈に対する思いを感じます。

幽霊になって、航平を支える麻奈。そして航平の前には、アイドル候補生がやってきます。2人のマネージャーがどんな物語を作り出すのか、要注目です!

現実を数年遅れて後追い……リアルアイドルとアイドルアニメ

かつてはソロ、今はグループが主流のアイドルとアイドルアニメ

花田作品だから一筋縄ではいかんだろう……と思いきや、まさかの事故死、そして幽霊で復活ですよ。「いやはや……やってくれるぜ」というのが一人の花田ファンとしての率直な感想です。

航平と麻奈の関係性や、航平がマネージメントするアイドルたちの行く末、そしてそこに麻奈がどのように絡んでいくかといったところが今後の注目点として挙げられるかと思いますが、第1話ではもう少し視野を広く、アイドルアニメのこれまでとこれから、その中の本作の立ち位置について考えてみたいと思います。

思えばアイドルアニメというのは、現実のアイドルを後追いする形で描かれてきました。80年代前半にはすでに、「超時空要塞マクロス」や「魔法の天使クリィミーマミ」などの作品で、ヒロインがアイドルという設定が使われていますが、この時代の作品のヒロインは多くがソロアイドル。現実世界ではアイドルと言えば山口百恵や松田聖子といったカリスマが登場しており、その影響を受けていると言えます。

そこから時間が経て、2010年代。アニメ界でアイドルもの旋風を巻き起こした作品といえば「THE IDOLM@STER」であり、「ラブライブ!」であることは誰もが認めるところでしょう。ただこれらはいずれもグループアイドルを扱っています。それ以降発表された多数のアイドルアニメも、多くはグループアイドルであることがほとんどです。

現実世界では、2005年にデビューしたグループアイドル・AKB48が2010年ぐらいから猛烈な勢いで一般的な知名度を上げていきました。それを模倣するかのごとく、「会いに行けるアイドル」が大量に誕生していきます。

上記作品がこうしたリアルアイドルの流れに影響されているのは一目瞭然。アニメ界のアイドル作品ブームは、現実のアイドルブームとリンクする形で盛り上がっていくのです。

20年代はアイドルアニメ冬の時代?本作はインパクトを残せるか

ですが、現実世界のアイドルブームは本家本元のAKB48が紆余曲折した結果、勢いを失っているように見えます。もちろん今でも坂道グループなど熱狂的ファンがついているグループも多くありますが、誰しもが参加していくブームという状態ではありません。

それを反映しているのか、例えば2017年に放映された「Wake Up, Girls! 新章」では、アイドルブームが一段落する中で苦闘する登場人物たちの姿が描かれるなど、アニメ界でもアイドルものアニメの立ち位置は若干変化しています。

こうして見ると、アニメシーンでのアイドルは、現実世界のアイドルを数年遅れて描いているということがよく分かります。

アイドルものアニメが乱立する中、どんなインパクトを残せるかが注目です
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2010年代、これでもかというほど描かれたアイドルアニメ。様々な名作、ヒロインを生み出してきたことは間違いありませんが、食傷気味になっているファンも少なくないのもまた事実。現実世界のブームが一段落した今、もしかしたら20年代は、90年代や2000年代のように、アイドルものアニメ冬の時代に戻ってしまうかもしれません。

そうした中にあって本作がどのような形で描かれるのか?
また、アニメファンに対して、アニメ史に対してどんなインパクトを残すのか?

そうした大きな流れについてもしっかりチェックしていきたいと思います。

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