「IDOLY PRIDE」 9話 感想 ~ 麻奈が思うアイドルとしての“プライド”――さくらの心臓問題、解決へ

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4月アニメが続々と始まっていますね。今回はスケジュールの都合でこのIDOLY PRIDEの記事を挙げますが、次回と次次回は方針に従い、新アニメをレビューします。で、空いた日に冬のレビューの続きを……という感じになりますが、ご承知おきください。

さて、本作。琴乃が麻奈の呪縛から開放されてチームの中で自分のアイドルとしての表現に目覚めた前回の流れを受けつつ、今回はさくらのアイドルとしての方向性が示されます。その中で、ここまで出てきたさくらの「心臓問題」がいよいよクローズアップ……見ていきましょう!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、© 2019 Project IDOLY PRIDE/星見プロダクション様公式HPより引用しています。

さくらの心臓は麻奈のもの?騒がれる最中、さくらは麻奈と対話する

第9話のストーリーまとめ!

麻奈の再来と呼ばれるさくら。NEXT VENUSグランプリでももちろん、そのことは話題になっています。そんな中、琴乃はさくらに、麻奈の歌をグランプリで歌ってほしいと言いました。

さくらはそれを受け入れます。以前なら琴乃に遠慮して断るところでしたが、琴乃はアイドルとして、麻奈とは違う自分の道を歩み始めた。であれば、胸の高鳴りに従って自分が麻奈の歌を歌う……さくらはそう考えるようになったのです。

ですがどこからか、さくらの心移植手術のことが漏れ、SNS上をざわつかせることになります。マスコミも直撃する中、さくらは持ち前の元気を失ってしまいます。

このままではまずい……という中、さくらが航平の部屋にやってきて、2人(+麻奈)で話をすることに。さくらのドナーが誰なのか、それは誰も確証が持てません。ですがさくらは数々の偶然は麻奈の心臓が呼び込んでくれたものだと強く思っており、それを大切にしたいといいます。

第7話から触れられた心臓問題について、さくらと麻奈が直接対話?!
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ここで麻奈がなにか言いたいことがあるのか、芽依を呼ぼうとします。そこで航平が思わず麻奈の名を口走ったことで、さくらにも麻奈の存在が知られることに。

そして芽依が加わり、麻奈の言葉を通訳しながらさくらと麻奈が会話します。麻奈の歌を歌うことにこだわりを見せるさくら。ですが麻奈は、強い口調でそれは違うと言いました。

1つは、さくらは麻奈のコピーではなく自分の力でファンに訴えるべきということから。もう1つは、自分の歌が他のアイドルに歌われるのはプライドが許さないという麻奈の気持ちから、でした。

彼女の話を受け入れたさくらは、メディアに対し記者会見で心移植手術に触れつつ、それが誰のものであろうが今の自分が好きだと言ってNEXT VENUSグランプリに臨み、自分の歌を歌い上げました。結果は、勝利!2回戦突破!

第9話はここで終わります。

初公開・アイドルとしての麻奈の熱い想いと「プライド」

第9話の名ゼリフ・迷ゼリフ!

麻奈っ!(航平)

ピックアップしたいセリフがありすぎる中、記事がどんどん長くなっちゃうので敢えて絞ると、まずはこちらのセリフに行き着きます。

本作の設定では、麻奈は幽霊としてこの世に存在する。ただし、それが見えるのは航平と芽衣だけでした。今にして思うとこの「芽衣は見える」という設定はかなり大きい。航平だけが見えていたらさくらも信じたか、どうか?2人が見える、というのは真実性を増す道具として極めて有効に作用しています。

どこかのシーンで麻奈の存在が明らかになり、それがストーリーを動かす可能性は当初からありました。この第9話がそれに当たったわけですが、そこには「どうやって麻奈の存在を表現するか?」という大きな注目点がありました。

第2話で取り上げた「あの花」では、それを筆談という形で表現しています。幽霊のめんまはペンを取って文字が書けました。めんまの存在を疑っていた他の登場人物たちはそれでめんまの存在を信用することになります。本作ではそれを、航平と芽衣2人が見えることで担保していると言えます。

それにしても、この緊迫したシーンで「麻奈っ」と思わず叫ぶことでさくらが麻奈の存在を把握する……という流れはストーリー的にも演出的にもかなり上手い!!と唸らずにいられません。

極めて短いながら、作中屈指のインパクトがあるセリフだったと言えましょう。

これでも、アイドルとしてのプライドはあるの。私の歌は、私だけのものだから!(麻奈)

本作のタイトルは「IDOLY PRIDE」なのは皆様ご存知のとおりですが、その「プライド」という核心的なセリフがここで出ました!しかもそれが、ここまでどちらかというとほんわかとした印象の麻奈の口から出てきたのですから、強烈なインパクトがありました。

ここではこのセリフを核にして、分かっているようで分かっていかった麻奈について整理しましょう。

まず麻奈は、相当に負けず嫌いでプライドを持ってアイドルをやっていたことがよく分かりました。それはこのセリフもそうですが、莉央がライバルと思っているが生前はそれを認めたくなかった、という発言からも分かります。このセリフ、莉央が聞いたら喜ぶかどうか、ってのも想像すると面白いですね。

一方、麻奈は妹であり後輩たちである琴乃やさくらに対しては温かい眼差しを向けています。自分がやり残したヴィーナスグランプリ優勝を、2人のチームに成し遂げて欲しいと心底願っていることがよく分かります。

もっとも、よき先輩ぶりはここまでも何度も表現されていました。琴乃のことを常に気にかけていましたし、リーダーとして悩んださくらをさり気なくフォローしたりしました。それだけに、プライド発言のインパクトが強くなったとも言えます。

麻奈の熱い想いは、ギャップも相まってものすごい伝わってきました!
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その上で、麻奈は2人に対し、より高いものを求めています。それが、「自分しか歌えない歌」であると彼女はさくらに伝えています。プライド発言の前段でも、ファンはアイドルの心理状態が分かる、伝わるという話をしていました。トップアイドルの先輩としてしかできないアドバイスでしたね。

自分の真似をされるのはプライドが許さない。同時に、琴乃とさくらには単なる自分のモノマネに終わってほしくない。期待するからこそ高いものを求めたいし、2人はそれができると信じている。
麻奈の長い発言をまとめると、このような感じでしょう。

このセリフの直前まで、さくらも周りも、さくらが麻奈の歌を歌うという方向で話がまとまりつつありました。ですがそれをひっくり返したこの「プライド発言」は、麻奈の存在の大きさを改めて感じるところです。そして彼女の発言を受けて、さくらは自分の歌を、自分の思うアイドル像を求めるべく新しい一歩を踏み出しました。

作品全体の方向性を決したとも言える、とても重要な一言でした!

さくらの心臓問題と、アイドルとしての方向性が見えた!

ホントの真実はわからないものの……という決着

作品のキーともなりうる話がバンバン出てきた第9話。セリフ解説パートで麻奈について触れたので、ここではさくらについて整理したいと思います。

整理したいポイントとして、まず「結局、さくらの心臓は麻奈のものなのか?」というのがあります。これについて、どうやら航平も含めて(医師以外には)誰も確実な真実を知らないようです。さくらのセリフも「~だと思う」という話し方でしたし、航平も「辻褄が合う」という言い方にとどまっています。

ここまで来た局面で、航平が真実を隠す理由はないはず。前回、医師が何かを言いそうなところでシーンがカットされており航平が何か聞いたのか?と思わせる描写がされていましたが、医師は結局原則を守って情報を開示することはなかったことになります。

ただ、航平が口にした「辻褄」は1番正解に近いでしょう。というのは現実の日本における心臓移植の件数は非常に少なく、かなり増えた2019年でも100件に至っていません。また、さくらが該当する小児だと「たったの」17件。これでも2019年は多い方で、それまでの年は10件にすら至っていません。

参照⇒心臓移植レジストリ報告日本心臓移植研究会様HP

さくらの胸で涙する琴乃。麻奈への想いが強く伝わってくる良シーンでした。
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そして心臓移植は、臓器の性質上、脳死したあと短時間の間に行わなければなりません。麻奈の事故の日とさくらの手術の日を調べればかなり真実に近い推理が可能になると思われ、航平もそこまでは把握していると思います。

思いますが……それでもあくまで「1番正解に近い」ところであり、正解ではありません。やはりどこまでいってもこの件の真実は分からないものの、おそらくさくらの心臓は麻奈のものだとみんなが信じている、それ前提で話を進めます、ということで決着しそうな感じです。この点について最終回までに変化があるか、どうか?

どちらにせよ、そうと信じた上で自分の道を歩もうとするさくらも印象的でしたし、そのさくらの心音を聞いて涙する琴乃の姿もまた、とても印象的でした。

アイドルとして自分を表現する!覚悟が定まったさくら

そのうえで、さくらの気持ちの変化について考えていきます。

もともと、さくらはアイドルになりたかったわけではありません。オーディションに飛び入り参加した第2話では、琴乃から「舐めてるのか?」という視線を送られたぐらいです。

ですが、「胸の高鳴りに導かれて」星見プロに所属し、仲間とともにやってきました。ただ、アイドルとしてどうこう、というのは、ここまではあまり描かれてきませんでした。麻奈を追ってアイドルとして成功したいと願う琴乃や、ダンスで食っていきたいと強く考える怜ほどのこだわりは見せず、仲間と一緒に何かをするのが好き、琴乃と共に切磋琢磨するのが楽しい、という雰囲気でした。さくらにとってアイドルは部活の延長的なもの、だった印象があります。

アイドルとして覚醒しつつある2人。強敵を倒せるか?
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そうした、敢えて厳しく言えば「ふわっとした」アイドルとしての自覚が、一連の心臓問題と麻奈の曲問題を通じ、一気に高いレベルへ進化していきます。麻奈の気持ちを真に受け止め、自分が思うアイドル像を追いかける、と一歩踏み出したのは第9話を通じて見てきた通りです。

さくらにアイドルとしての自覚を植え付けたという意味でも、麻奈の「プライド」発言は非常に意味があったことが分かる流れになっていますね。

覚醒した琴乃とさくら、強敵を撃破できるか?

第8話、第9話で琴乃とさくらは麻奈を乗り越えようとする姿勢を明確にしました。琴乃は麻奈の意志を、さくらは麻奈の心臓を受け継ぎつつも、そこを意識しすぎて自らハードルを設けているような状態でした。ですが様々な出来事を通じ、2人はそれを乗り越えた。

ここまでの流れ、完璧とも言えますね!

アイドルとしての方向性が見えてきた2人。2回戦も突破し、いよいよ強敵・LizNoirとTRINITYAiLEとの対決が迫ります。覚醒した2人はどのようにしてこの強敵に立ち向かうのか?

また、さくらに存在を明かしたことで、麻奈の成仏問題もいよいよ動き出しそうな雰囲気があります。この点も果たしてどうなるのか?

注目して続きを見ていきたいと思います!

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