「映像研には手を出すな!」 6話 感想 ~ クリエイターに大切なのは勇気!みどりよ、批判を恐れず突き進め!

© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

次なる目標が見つかった映像研。
しかし監督になったみどりは、初めて味わう苦労に四苦八苦……
前に進もうとするクリエイターの姿をご覧あれ!

※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 © 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会様公式HPより引用しています。

交渉を繰り返すさやか。凄腕プロデューサーの本領発揮

やりたいことはたくさんあるけど……

紆余曲折ありつつもロボ研からアニメ制作を受注した映像研。

前回予算審議委員会で出した作品の出来は、観客はともかく本人たち的には納得がいくものではなかった。
色塗り、背景、効果音……やりたいことはたくさんあります。前回より進歩するべし!夢を語り合うクリエイター2人。

とはいえさやかは相変わらず現実的
背景は美術部、OPはロボ研が音楽制作中……と対外的な調整を着々と進めています。外部との打ち合わせか……コミュ障なみどりは早くもビビり気味

ロボ研がOP曲制作……?どんな「いかにも」な曲を作ってくれるのか楽しみ!
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

制作期間は前回より長い。さやかはツバメに、部活時間内だけでできないか?と話を振ります。
しかし絶対に無理、と力説するツバメ。アニメーター論になると相変わらず止まりません。これは早くも部活として崩壊か……とため息をつくさやか。

そして大きな問題として、みどりの絵コンテが遅れている。対外折衝するにも、どんな作品かを示すには絵コンテが必要なのに。

クリエイターのため?お金のため?動くさやか

もろもろの問題を解決するため、さやかが動き出します。

出かけた後に音沙汰なく、帰ったと思ったらいきなり校門で待ち伏せて、2人を夕食に誘うさやか。

ひなびたラーメン屋で彼女は奢るといいます。金にがめついさやかが奢るだと……?!みどりならずとも警戒するのは当然ですが、これは部活時間外の活動に対する対価なのだとか。案外ホワイト。

アニメ業界=並外れたブラック、みたいな論調が近年はファンのみならず有名になってしまった。それに対するフォローなのか?

ひなびたラーメン屋。こういうところの普通の醤油ラーメンが美味しかったりするものです。
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

ラーメンを待ちながら、さやかは横になります。かなりくたびれている様子。

その理由は、日中の精力的な調査、交渉にありました。PCは情報技能研究部から3万円で調達。ソフト類は学校が契約したライセンスを利用するので実質無料。短時間でクタクタになるまで走り回っていたのでしょう。

金の話ばかりで言い方はキツいさやか。でもクリエイターを全力でバックアップする、いいプロデューサーです!もっとも奢るといいながら別会計にするさやか(笑)返してくれる日はくるのでしょうか?

音響に美術に……監督はつらいよ

とてつもないSEの宝庫!音響部はすごかった

シーン変わって、生徒会に呼び出されるさやか。
細かいチェックを受けますが、破天荒な部活が多いこの学校の生徒会においては、これが普通のようです。

さやかはそこにあったホワイトボードから、音響部が強制退去になったという情報をゲットしました。

その音響部に訪問、いや押し入るさやか。
中には部員の百目鬼が1人だけ。そして壁一面に膨大な音響サンプルが!

音響は良し悪しがはっきりしている世界。みどりたちもフリー素材を使って音をつけてみましたが、全く話にならないレベル……ここは音響部の協力が欲しいところです。

なにせ音響部は、単なる華厳の滝の音を72通りも保存するレベルでこだわっています。彼女の協力が得られればアニメのクオリティもぐっと上がるでしょう。

音響部の目鬼。彼女もまた変人ですが、音響に関する知識はものすごい!
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生徒会の代理として強制退去の形を取りつつ、映像研の隣に入居させ活動を継続、その代わりに映像研の制作に協力させる、という力技を発揮し諸々の問題を解決させたさやか。さすが凄腕です。

批判を恐れるみどり。急に現実路線?!

その後、みどりの絵コンテもスピードアップ。スタートは遅いけど始まると早い!

ですがそんな彼女に大きな試練が立ちはだかります。それが美術部との打ち合わせ。絵コンテを挟んでどんな背景にしたいか説明しますが、アニメ制作初心者に基礎的なことから説明しなくてはならない。

自分の常識が簡単に通用しない。やりたいことはたくさんあるのに、なかなか言葉にして伝えられない……

長時間の打ち合わせは、コミュ障でソロクリエイター活動歴が長いみどりには厳しい現場です。

身を乗り出して打ち合わせする美術部の岡本。アニメ素人の質問にみどりは苦心します。
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打ち合わせ後、心を癒やすためにスケッチするみどり。
その中で日和ったのか?矛盾だらけのロボに疑問を抱き、非難を恐れてロボではなく実用的なバギーで怪獣を倒す設定にしようと言い出します。

もちろんさやかは即却下。前回の打ち合わせで謎の共感をしてコミットした事項を自ら否定するなんて。

それでも批評を恐れて現実路線に走ろうとするみどり
ですがそこでさやかが熱い喝を入れます。

「あんたがだめだと思うからだめなんだ、他人なんて関係ない」
「あんたが指示したものに近づけるために最善を尽くしている、それはあんたがいいものを作ると期待しているから」
「クソ面白くなったら責任はお前にある、なぜならあんたは監督だから」

と。

監督という初の大役に身じろぎするみどり。らしくない姿です。
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

その言葉に、みどりは今まで考えたことがなかった責任と衝撃を感じたのでしょう。ソファに倒れ込みます。
ですがさやかの言葉が通じたのか?自分の納得の行く設定をサクッと作り上げたみどり。自由を自覚したみどりは強い。やはり彼女の想像力は無限大だ!

批判は怖い……だがそこを乗り越える勇気が必要!

膨れ上がるアニメ制作人数。対外折衝は避けて通れない

ロボ研発注のアニメ制作に動き出した映像研、みどりは本格的に監督としての役割を担っていくことになります。

実際のアニメ制作も、とても多くの人が関わっています。またそれは、年々増えていると言ってもいいでしょう。

かつてアニメ制作は人がいなかった。20年前の作品を今見ますと、原画マンが10人程度で驚いたことがあります。

現在はどうでしょう。そもそも作画監督が1人、ということはまずありません。例えば本作は作画監督が4人。もっと多い作品もあります。原画マンは20人近く。そして第2原画と呼ばれる、原画マンの描いた絵を緻密にしていくポジションを置くことが普通になっています。

作画1つとっても、20年前の数倍の人手が必要になっているのです。

音響、背景、プロデュース……現代アニメ制作は高度化する一方で、監督の役割もさらに大きくなっています。
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

この理由について多くの関係者は、昔よりクオリティが要求されているから、と話しています。

確かにファンも贅沢になって、ちょっと目の形が違うだけで「作画崩壊」とか騒ぎますしね。またSNSの普及で、悪評が広まりやすくなっている環境もあるかと思います。

そしてテレビのデジタル化、さらに製作のデジタル化。以前なら「これぐらいでOK」みたいなものが許されない、という状況はあるかと思います。んー、4K8K普通とかになったらどうするんだろう??

アニメは作画だけではありません。本作で見た通り、背景、音楽、音響……それらを1つのアニメスタジオで全部賄うのは当然不可能。なので、外注していくことになります。

監督はそうした外部関係者に対してどういう作品を作るか方向性を伝え、最終的に上がってきたものの調整をすることになります。

これはとてもコミュニケーション力が必要なことです。
多くの人と関わる……みどりが苦手とする分野です。

もともとクリエイターなぞ1人で何か作るのが大好きな人種。それが上手く行ってポジションを得たものの、結果として調整ばかり、みたいな話は、クリエイティブでない仕事でも多いものです。

リーダーは責任を負う。その代わりに栄誉も得られる(かも?)

一方、アニメが1人で作れるものではないのは確かなことです
つまり、クリエイターが何かやりたいことがあったとしたら、それは多くの人を巻き込まなければならない

そして出てきた作品の結果を、監督は一身に受け止めなければならない
もし駄作なら、見ず知らずの人に人格まで否定される。これは過酷な仕事です。さやかの言う通り、「クソ面白くなったら責任はお前にある」、大変な仕事なのです。

責任は監督にあるんだ!厳しくても現実を突きつけるさやか。本作はそうした厳しさが見え隠れするところが本格的です。
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

しかし一方で、名作だったら……?今度は監督が栄誉を総取りすることになります。もちろん個々のスタッフについても評価されますし、そういうのを細かくチェックするのが好きなアニメファンもいるでしょう。が、やはり対外的に褒められるのは監督なのです。

これは別にアニメ業界に限った話ではありません
何かの仕事に取り掛かる。リーダーは責任を負う。大変な思いをする。だけど成功したら名誉と金銭を得る。場合によっては歴史に名を残す。どこの世界もそういうように出来ています。

高校生にしてそういう厳しい立場に置かれたみどり。
ですが彼女がただの趣味でやっていくのか?それとも本当に好きな世界を目指すのか?その分岐点なのかもしれませんね。

(もっとも最近だと、趣味=アマチュアでやっている方が強いと認めるプロも少なくありません。そのへんはまたいずれ)

現実路線に走ろうとするみどりの気持ちが分かりすぎて泣ける

みどりは、途中で矛盾だらけの巨大ロボから方針を変更して、現実路線に走ろうとします。観客からの非難を恐れて

この気持ち、メチャンコ分かるんですよねぇ……私も同人作家時代、やりたいことがたくさんあったはずなのに、妙に読者の反応を意識して、「もっと現実路線のほうがよくないか?」みたいな路線変更を実際にしたりしました。でも今となっては、もっとやりたいことを自由にやればよかったと少し後悔しています。

小さくまとまって、批判もされないが評価もされない作品を作るか?
それとも思い切ったものを作り、批判もあるが評価も高い作品を作るか?

これはクリエイターにとって永遠の課題かと思います。
そして人間は弱いもの。批判はやはり怖い

クリエイターが楽しんでいるかどうかは、見ず知らずの視聴者にも分かるもの。みどり、心の赴くままに作品を作れ!
© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

先ほど、SNSの普及で悪評が広まりやすくなっていると書きました。
人間は、放っておくと悪い方へ思考を向けがちです。
逆に、いいものはなかなか素直にいいと認めづらい。

でもいいものをいいと認めなければ、クリエイターは次の作品を作る勇気を得られない
そしていいものを経済的に(つまりBDとかグッズとかの売上ですね)しなければ続かない。
これも紛れもない現実かと思います。

当ブログが、そうした思い切った作品のいいところに光を当てる役割を担えれば
そしてその結果、クリエイターがもっといいものを作ろうという勇気を得てくれれば

そのようなことを考えながら、記事を書いていきたいと思います!!

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