ロボアニメ編もいよいよクライマックス。
前作より多くの人を巻き込んだロボアニメ、果たしてその完成度は?
そして、ツバメと両親の関係という、序盤からポイントになっていた点にも注目です!
※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 © 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会様公式HPより引用しています。
親にバレた?!最悪のタイミングで文化祭スタート!
徹夜で仕上げる映像研。百目鬼、いい仕事だ
文化祭前日(当日?)、映像研の3人娘+音響部の百目鬼は、暗い部屋でアニメの編集を行っています。
今回は間に合った!というツバメの声に、声を当ててない時点で間に合ってない、と断じるさやか。アフレコできなかったのは作画の遅延の影響で、結局ロボ研に当日生アテレコをさせるというトンデモ展開になってしまったようで。ロボが好きすぎる部長・小野の暴走が心配だ……
サウンドの調整を続けるみどりと百目鬼。みどりは自分の作品を見入りつつも、客観的な視点も忘れずに、細かな違和感を指摘。百目鬼はその指示に従って、テキパキとサウンドを編集します。
そのナイスコンビネーションを見たツバメ、みどりを音楽マスターと持ち上げます。高笑いを浮かべるみどり。
両親が文化祭に来ることに?親バレのピンチ!
一方、とある豪邸では監督とプロデューサーが揉めて傷害事件を起こした件で何やら話をしているようで……?
実はここはツバメの家。両親が共演する映画でトラブルがあり、撮影中止になってしまったとのこと。
しかしツバメの両親は意に介しません。むしろ、中止になったおかげでツバメの文化祭に行ってあげられる、親らしいことができるとちょっと嬉しそう。
ですがツバメの母は気づいてしまった。
当の本人は、布団の中にストレッチポールを入れて誤魔化し、家にいないことに。
母親からのメールで、外泊(寝てはいませんが)がバレたと気づいたツバメ。
当初、今回制作のアニメの目玉を「水崎ツバメ参加!」という形にして売り込む、と言っていたさやかの案を、親バレを恐れて反対していたツバメですが、バレてしまったら仕方ない、やるしかない、とばかりに開き直ることに。親が来ることになったこの状況、これは荒れる予感だ……!
映像研&ロボ研が文化祭で大暴れ!学校中を巻き込んで宣伝戦を繰り広げる
夏日が云々、ということは9月ぐらいですかね?まだ暑い盛りに、芝浜高校文化祭がスタートしました!アニマル浜口のように気合だ!と連呼し、意気揚々の映像研。
しかし、チラシ配布スペースでアニメ放映をアピールしようとしますが、出遅れて後列に。これでは声を張り上げても他の部に負けてアピールできません。見てもらわないと元も子もないとさやかは言っていたけど……これはまずい展開だ。
そこにロボ研が!彼らはペットボトルロケットを連発して打ち上げ、ツバメのコースターをばら撒いて一気に客の視線を集めることに成功!出遅れを取り返しました!
一方のさやか。空調管理部(こんな部まであるとか芝浜高校どんだけ自主性が高いんだ(笑))と体育館の温度について交渉しています。外は夏日。放映会場の第一体育館だけをギンギンに冷やせば集客につながる。ツバメグッズと並ぶ、さやかの集客作戦の大きな柱です。
さやかはすでに、空調管理部の弱みを握っていました。36度の猛暑日に、彼らが部室のクーラーをガンガンにかけて鍋宴会をやっている現場を撮影していたのです。うん、暑い日にクーラーかけて熱い食べ物とか美味しいよね(笑)
それをネタに脅迫したさやか、第一体育館を16度に冷やさせることに成功。うーん、交渉の鬼や。
一発アピールに成功した映像研とロボ研。拡声器を使ってバンバンと宣伝を繰り広げます。
しかしこんな騒ぎを起こして生徒会が黙っているわけがありません。案の定、騒ぎの張本人であるツバメを捕らえようと、警備部を伴ってやってきます。これは大丈夫なのか……?!
が、さやかはそこも読んでいました。ロボ研からダンボールロボットの着ぐるみ(?)を借り、混乱の渦中から脱出。しかも「ダンボールロボをかぶればツバメのグッズが貰える」と大量のダミーロボを校内に展開し、生徒会と警備部を撹乱します。
そのうちの1人、ロボ研部長の小野はダンボールロボ姿で生き生きと校内を疾走!
幻と消えたOPまで即興して歌いつつ、撹乱とアニメのさらなるアピールに成功!
これが青春か、充実のあまり泣きながら大笑いする小野。ひどいけどいい表情だ!
映像研第2作、大喝采!そして両親にも伝わった
生徒会と両親……絶体絶命のピンチで上映開始!
一方のみどり。
第一体育館前でチラシを配り続けています。
しかしそこに、ツバメの両親とガードマンが!ガードマンはみどりのことを覚えていて捕らえようとします。が、そこで母親がストップを……?
生徒会とツバメの両親。前門の虎、後門の狼。絶体絶命な状況なれど、上映が始まってしまえば両者とも手出しはできまい。特にツバメは後がないと覚悟を決めた表情を見せます。
映像研はこの窮地を脱するため、渾身の作品を上映スタートしました!
凄まじい水しぶきともに登場するカニ型怪獣。音響も迫力満点!!舞台が自分たちの高校と知り、盛り上がる場内!
ロボット警備隊の隊員たちは、怪獣の襲来を聞き、戦闘ロボットを発進。メチャメチャかっこいい!
暴走が心配された小野ですが、むしろノリノリで雰囲気たっぷりの演技を披露しています!百目鬼もリアルタイムで音響を操作し、作品を盛り上げていきます。
それを体育館の後ろで見ていたツバメの両親。
ここまでの会話で、私設警備員を使ってまでツバメをアニメから遠ざけようとしたのは父親であることが分かります。母親の希望を叶えるため、ツバメを役者にするためにそうしたと。
でも、当の母親はそこまで思っていなかったようで……?
それよりも母親は、アニメを見ていて気づきます。走り方や箸の持ち方がツバメのものだと。
思えばツバメは、祖母の動きを真似ていつも遊んでいた。いつの間にか、彼女はその動きを絵にして表現することに情熱を燃やしていたのか……と知る2人。
親はなくとも子は育つ。ツバメの作画・動画は、間違いなく彼女自身の「演技」だと認め、娘もまた自分たちと同じ「表現者」だったと納得するのです!
ツバメは友達?いえ、仲間です!
轟音、爆発とともに怪獣を撃破するロボット。
アニメはそこで終わります。
会場からは大喝采!ロボ研2作目のアニメは大成功のうちに幕を閉じました!!
上映後、DVDの予約販売に精を出すさやか。
ロボ研の面々もやりきった感じで照れながらも嬉しそう!小野は警備部に連行されていますが(笑)
そんな中、昼食の買い出しに走ったツバメは両親に呼び止められます。
両親に向かって、自分の演技に満足したことがあるか、と問いかけるツバメ。まだまだやり足りないことがある、自分の熱い情熱はもう止まらない、と、おそらく初めて、両親に向かって自分の意志を伝えるのです。
ですが、両親はもう認めていました。彼女の本気を。彼女のやりたい「表現」を。両親と分かり合えたツバメ、ちょっと生意気ながらも嬉しそう!
生徒会から逃れるためでしょう、狭い備品の倉庫で待ち構えていたみどりとさやか。
しかしみどりは、作品が好評を得たことに充実感を感じつつも、もっとこうしたい、ああしたい、と頭を捻っています。ここにもまた、高みを目指す表現者が1人いた……!
そんな倉庫に、ツバメの両親が。
「ツバメのお友達?」と問いかけられたみどり。
「いえ……」と否定したあと、彼女は答えます。
ツバメのことは「仲間です!」と。
両親も認めた、「表現者」ツバメの情熱!
アニメーションに対する熱意が、両親を動かした
第8話は、これまでのツバメの信念を、両親が認めていく回になりました。
ツバメはこれまでずっと、「アニメーションは演技だ」と言い、自らの動きをトレースするようにカットを描いてきました。その象徴が箸の持つシーンと、ロボットに搭乗する隊員の走るシーン。これはツバメ自身を動きを描いたものですが、箸の持ち方は他の人と違うし、走り方は拳を前に突き出すちょっと独特なもの。
文化祭の朝のシーンを見る限り、ツバメはこれらのクセをあまり自覚していなかったようで、それがそのままアニメーションになりました。
普通のファンなら、そういうことは気づかない。箸の持ち方がどうか、まで見ている人はなかなかいないでしょう。
でもツバメの母は気づきました。箸のシーンを見て、これはツバメの持ち方だ、ツバメの描いたものだと。

© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
これまでツバメは、さやかにそこまで見ている人はいないからもっと簡素化しろと言ってきました。それに対しツバメは、分かる人には分かる、伝わるのだから手は抜かないと抵抗してきました。
その強い気持ちが、一番伝わって欲しい人……両親にしっかりと伝わったのです。
両親がアニメーションに詳しいとは思えません。しかし、演技に関してはプロです。人の動きを見ることに関しては優れた目を持っている。
その両親が、ツバメの作ったアニメーションをツバメのもの、ツバメの演技だと認めた。その上で、娘が形は違えど自分たちと同じ表現者であることを認めた。
これは、ツバメにとって最高の評価だと思います。
それにしても、ツバメの両親は多忙で娘にもあまり構っていなかった様子です。でも、箸の持ち方といい走り方といい、細かいところにも関わらずちゃんと気づきました。構っていなかったけど、娘のことはちゃんと見ていた。
ツバメはそんな両親の気持ちよりも、2作目を作り終えて、自分のやりたいことがさらに出てきたという気持ちで一直線。そんな両親の愛情には気づいていない様子?
でも視聴者にはしっかりと伝わった、そんなエピソードになったと思います。
ただの脇役じゃない!名作には名サウンドがある!
ツバメの動画は遅れに遅れ、その結果アフレコはできずに生アテレコという綱渡り制作だった今回の作品。しかし、百目鬼の担当する音響関係は、百目鬼以外の原因を除けば概ね順調に進行したようです。
当初はイヤイヤ映像研に協力することになった百目鬼ですが、やり始めるとプロ魂が目覚めたか?当てられた音響は、非常に完成度の高いものになっていました。
それだけでなく、百目鬼は深夜まで彼女たちに付き合って調整をしています。放映当日も、生アテレコという難しいシチュエーションでしっかり仕事をこなしました。
映像研3人娘の本気に当てられて、アニメ作りの面白さに目覚めたのか?とすら思える展開です。
みなさまがアニメを見るときに注目するポイントはどこでしょうか?
ストーリー、キャラクター、アニメーション……いろいろな箇所があるかと思いますが、サウンドを真っ先にあげる人は少数派でしょう。アニメはあくまで映像を楽しむもので、サウンドはそれを引き立てる脇役……多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
私もそう思っていたのですが、ある作品に出会ってからちょっと考えが変わりました。2014年に放映された、「天体のメソッド」です。
北海道の洞爺湖を舞台に、不思議な少女・ノエルを巡ってキャラクターたちが様々な思いを巡らせる青春ものの本作。
Larval Stage PlanningさんによるOP、fhánaさんによるED曲の素晴らしさは特筆するべきものがありました。さらに、劇中のちょっとしたサウンドやBGMも、登場人物たちの繊細な心情をバッチリ表現しているように感じました。「サウンドもアニメの極めて重要な一要素なんだ」と強く意識した、個人的には大好きな一作です。
また、広義の意味でサウンドというとOP、EDも含まれるかと思いますが、OPやEDは音楽プレイヤーに入れて何度でも聞き返せるもの。
私は年代ごとや好きな楽曲、好きな作品ごとみたいな感じでプレイリストを作って移動中にいつも聞いていますが、ちょっと懐かしい作品の曲が流れると「ああ、この作品好きだったなぁ」「あのキャラのセリフ、よかったな」と当時の思い出がプレイバックします。
アニメを全部見返すのは大変ですが、音楽を聞き返すのは短い時間で済む。短時間で、思い出を蘇らせることができるツール……それが音楽だと思います。
アニメにおいてサウンドは、メインであるアニメーションやストーリーを引き立たせるいわば脇役。
だけど、記憶を蘇らせる、記憶に残す作品にするために欠かせないのもまた、サウンド。
私はサウンドを、そんな風に捉えています。
名作には名サウンドあり!
サウンド担当の方にはぜひ頑張って欲しいと思っています!
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