ロボアニメ制作を終え、評判も上々だった映像研。
次回作へ意気があがるところですが、ここでさやかが意外な宣言を……?
第9話、さやかの知られざる過去に注目です!
※アイキャッチ画像ならびに本文中の画像は、 © 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会様公式HPより引用しています。
次回作は自主制作!即売会コメットAを目指せ
依頼殺到の映像研。しかしさやかはすべて断っていた
土砂降りの芝浜高校。
その一室で、さやかは生徒会メンバーに尋問を受けていました。
どうやら音響部の音源販売が好調のようで、そこから収益を得ていた点に目をつけられてしまったようで……?
日付が変わって、映像研部室。
ロボアニメが好評だったことから、多くの部活からアニメ制作の依頼が来たと伝えるさやか。しかし彼女はその依頼をすべて断っていました。
その理由は収益。受託案件だったロボアニメは、DVDが多少売れたとはいえその収益の大半をロボ研がもらう契約。映像研は15%の2万円程度しか稼いでいない。時給換算で180万円もの仕事をしたのに!つまり頼まれ仕事では儲からない、活動を続けられない……だから自主制作案件に乗り出し、さらには外部へ販路を広げるのだ、と。
そのさやかの視線の先にあるのは、自主制作物即売会のコメットA。ここで新作アニメを販売し、一山当てよう!と宣言するのでした。
映像研のファンが増え始めた!さやかの活動の成果だ
さやかの誘いを受けて、芝浜の町の地下街へ向かう3人娘。
その奥にはフルーツ担々麺なるキワモノ料理を出す店が……?
実はそこは、文化祭でロボアニメを見て映像研のファンになった若手店主・加島の経営する店でした。みどりたちに文化祭の作品が素晴らしかった、と力説するアニメファンの加島。しかしみどりは、自分としてはまだまだだと思っていた作品を褒められ少しむず痒い思いがあるみたい。クリエイターらしい上昇志向があって素晴らしいですね。
思ったよりおいしいフルーツ担々麺を頬張る3人娘。
そんな彼女たちに、加島は自分の構想をアニメにしたいと言い出します。担々麺屋の普通の男(つまり加島のこと?)は実は世界の平和を守る秘密警察の工作員!という話を聞いて目が点になるみどり。しかしさやかは「新作はあれで」と言い出します。やはりさやかは、アニメ自体には大した興味がない様子です。
芝浜の町を歩きながら次回作について語る3人娘。しかし改めて町を見ると、シャッターを下ろした店が多く、閑散としています。さやかによれば、雪が多いこの地域はスキーシーズン以外は人が少ないとのこと。海沿いで雪が多い……日本海側でしょうか?
さやかはその際も、SNSを使って映像研のアピールに余念がありません。人気モデルのツバメを使って人を引き付ける一方、作品のメイキング映像も多数つぶやいてファン獲得を熱心に行っています。収益のためにグッズ作りも検討しているとか。
「SNSは遊びじゃねえんだ!」と言うさやか。それにしてもなぜ彼女はこんなにもお金儲けに熱心なのでしょうか?
お金がなければ居場所はなくなる……さやかの苦い思い出
幼少から経営センスのあったさやかだが……
それは彼女の回想から明らかになります。
昔々、大繁盛していた造り酒屋がありました。さやかの親戚が経営していたというその酒屋はしかし、店主が酒のクオリティにこだわるあまり、安い酒を求めていた地元の顧客は少しずつ離れていった。
さらにモノレールが開通し、モータリゼーションの時代になると酒はあまり売れない時代に。造り酒屋は単なる酒屋、そして小さな雑貨屋になってしまいました。
幼少の頃、さやかはその雑貨屋でお手伝い、というよりアルバイトをしていました。 毎日熱心にお店を手伝うさやかを、叔父と叔母は可愛がってくれていたたようです。
ある大雪の日。周りに合わせ、雑貨店も店を閉じていました。
しかしコンビニすら店を閉じている今こそが客を呼び込むチャンス、とさやかは主張し、店を開けてもらいます。するとそこに、どこも閉店して困っていたスキー客が。彼らは喜んでカップ麺などを買ってくれます。さらにはお湯をも販売するさやか。ビジネスチャンスを逃しません。叔父はさやかが経営のセンスがあると見抜きました。
商売が上手くいったことに強い手応えと喜びを感じていたちびさやか。しかし、その店はもうすぐ閉店すると聞き、ショックを受けます。立地が悪く、ちょっと評判がよくなったぐらいじゃ続けられない……その現実を間に当たりにしたさやか。
こうした経験が、彼女をお金儲けにこだわる性格にしていったようです。物事を続けるため、自分の居場所を守るためにはお金が必要なのだと痛感したさやか。いい店……いい作品を作れば自然と客が来るなどという発想は捨てろ、とクリエイター2人を叱咤するのでした。
次回作の舞台は芝浜の町!UFOとの戦いを描く!
その話を聞きながら、いや聞く前から、みどりは次回作の構想を練っていました。
水路が張り巡らされた不思議で興味深い町、芝浜。次回作の舞台はこの芝浜の町です。そこにUFOが襲いかかりますが、芝浜の町に配備されていた兵器がこれを撃退する、という物語です。名付けて、「芝浜UFO大戦」!前作よりさらにスケールアップしました!
さやかと担々麺屋の加島とのつながりもあって芝浜商工会がバックアップしてくれることも決定。もっとも、アバンで話題に出ていた音響部の売上の一部は生徒会に召し上げられることになったようですが……
とはいえ細かい話はまだまだこれから。
例によって細部の矛盾にこだわるみどり。なかなかいいアイディアが出ません。
しかしそこでみどりは気づきます。一見地味なシーンでも、演出を工夫すれば理想のアニメになっていくのでは?
そうか、演出が大切なのか!全ては演出だ!
と改めて気づいたところで、第9話は終わります。
さやかの過去とコメットA……すべては継続のため!
お金を儲けなければ、物事は続かない
これまでも何かとお金、お金と言ってきたさやか。なぜ彼女はそんなにお金にこだわるのか?それが明かされた第9話でした。
古くは造り酒屋として大変なお金持ちだった商家が、町の変化についていけず小さくなっていき、最後はひっそりと閉店……残念ながら日本中に山ほどある話の1つです。小さかったさやかにとってそれは大きなショックだったことでしょう。
アニメとお金の話はシビアです。アニメーターの衝撃的な安月給(動画マンだと年収100万円ちょっと)みたいな話はNHKでも取り上げられました。アニメ市場は盛り上がっているのになぜ制作者には回らないのか?みたいな話はそこかしこで議論されています。
製作委員会方式の是非みたいな話は長くなるのでここではやりませんが、最近では儲からない、生活が成り立たないからと高校生にすら認知され、アニメーター志望者がぐっと減っているとか。アニメファン的にはこれは危険な状況です。
続けたいなら、儲けるしかない。そのためにクオリティにばかりこだわるのはやめろ。
みどりやツバメを叱咤するさやかの発言の裏には、幼い頃の原体験からくる危機感があるとよく分かるシーンでした。

© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
アニメづくりをアニメーション部分だけでなくお金の部分でも描いてくのが特徴の本作。 ここは1つコメットAで一山当てて、好きなだけ好きなものを作る環境を手に入れたいところですね!
それにしても……さやかは小さな商店が店を畳むシーンでとても悲しそうな顔を見せていました。
映像研にしても、みどりやツバメといったマイペースなクリエイター陣を相手に、悪態をつきなからもあれこれと面倒を見ています。
さやかは口は悪くとも、案外寂しがりやで居場所が欲しいのかもしれません。そう思うと、次回以降のさやかの毒舌も微笑ましく見ることができるかも(笑)
同人誌即売会!実際のコミケットはどんな感じ?
コメットAなる展示即売会を目指すこととなった映像研。
さやかの「自主制作により利益を総取り」という話は、製作委員会批判の流れでよく出てきますが、実際にはなかなか難しいもの。
そもそも製作委員会方式はヒットしなかった場合のリスクを分散する機能もあります。あるインタビューでは、9割がヒットせず1割のヒット作でその9割をカバーするとか。自主制作でヒットしなかったらスタジオは即倒産、しかもその確率は9割となると、なかなか踏み出せないのは理解できるところです。
さて、コメットAの元ネタはおそらくコミックマーケットを始めとした同人誌即売会のことでしょう。ちなみにコミケという略称が一般的ですが、個人的にこだわりとクセでコミケットと表記しているので、そちらで統一します。
コミケットに作品を出展するには、「サークル」という単位で申し込む必要があります。これは1975年に開催された第1回目のコミケットが開催された当時は、自主制作漫画は複数人数で作ることが多かったためです。
ただ昨今では、個人で作品を作っている「個人サークル」の方が大半を占めています。現在のサークル参加数は3万超え!そんなにも多くのクリエイターがいるんですね。ものすごい数字です。

© 2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
そしてコミケットの第1回目では、約半数が学漫……つまり学校の漫画サークルによる展示だったので、今のようなパロディ作品は少数派でした。パロディ作品やプロの作品が目立つ現在のコミケットですが、今なおコミケットに参加する大学・高校の漫画サークルは少なくありません。
なお、コミケットのサークル参加資格の1つとして、義務教育を終えている必要があります。つまり高校生以上でないとダメということですね。映像研はこの点はすでにクリアしています。
コミケットは日本最大、いや世界最大級の同人誌即売会。のべ参加者数は1回あたり50万人以上とも言われています。そこには、次世代を担う作家がいないかと探す出版関係者も多く参加しており、人気同人作家がプロデビュー、という話は珍しくありません。
また、コミケットでブレイクしてそのまま法人化し、商業的に成功したグループも。Fateで有名なTYPE-MOONはそのパターンですね。
とはいえ、コミケットはあくまでアマチュアの集まり。3万サークルのうち7割は、1回あたりの頒布部数が30部以下という調査結果もあります。お金が動くというイメージが先行しがちですが、大多数は趣味でやってることがわかります。様々なサークルが思い思いの目的で会場に足を運ぶ。それがコミケットなのです。
映像研はここでブレイクできるのか?
それとも7割のサークルに回ってしまうのか?
3人娘の手腕に期待です!














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